2001/8/1  16.「環境」と「感興」
 
「環境ブームは終わった」
某鉄道会社のCMはなかなか俊逸なコピーである。
果たして、環境ブームなるものがあったのか?
無論、過ぎ去ったブームほど淋しいものはない。
そもそも「あれはブームだった」、と言って終わらせてはならない。
先のコピーは逆説的な表現なのだろう。
それが環境そのものへ、私たちの思いの丈としておこう。
環境問題が叫ばれたのは現在が最初ではない。
古くは産業革命時代のイギリス。
日本なら高度経済成長期の公害問題など。
数え上げたらキリがない。
歴史はその都度、時にうやむやに、時に回答も与えてきた。
その結果は常に時代へ反映され、その時々の現代を形作っている。
50年後、100年後、21世紀初頭の現在が評価されるだろう。
一昔前、良く聞かれた言葉に「不確実性の時代」というのがあった。
アメリカの経済学者ガルブレイスの名著の中の言葉である。
1+1が2ばかりでなく、もっと大きくも、逆に小さくなることもある。
時には消滅することだってあるかもしれない。
合併後の倒産である。
物理学(量子力学)では「不確定性原理」というものもある。
一方を観測しようとすると他方が見えなくなる。
並び立たないもどかしさである。
果たして経済と環境は並び立つであろうか?
「感興(かんきょう)」とは、興味を感じ面白く思うこと。
あらゆる場に臨む時、感興こそ結果を導く糧となる。
「思惑」だけでは一過性かもしれない。
「戦略」だけでは想定外の出来事に頓挫するかもしれない。
「夢」だけでは白昼夢かもしれない。
感興を持ち続けることは大変難しい。
人は飽きっぽい。
よそ見もすれば途中下車もする。
経済だけでも環境だけでもいけない。
不確実で不確定な代表素材。
それが現在の生分解性プラスチックの姿である。
さあ、生かすも殺すもあなたの感興しだい!?
 
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