ハートエッチ精工所/10インチ秒針付き頭丸尾長掛け時計 | ||||||||
最終更新 2008年12月25日 | ||||||||
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筆者が一番好きな時計会社はハートエッチ精工所です。 なんてたって名前がいい。明治時代という創業時において、この名前は当時風に言えばかなりモダーンでハイカラなものであったに違いありません。きっとインパクトあったことでしょう。愛知県名古屋市の時計会社ですが、何となくご当地織田信長のスタイルに通じませんか?右のトレードマークもまさにモダ〜ンでしょ!「メリケンハート」と言うそうです。 ハートHの前身(資本関係はないでしょうが)は明治中期に、わずか10年程度で閉業した小栗時計とのことです。その設備を譲り受けた創業者長谷川興吉(与吉?)が明治38年ハートHを興しました。トレードマークでもある「H」が長谷川氏のイニシャルであることは想像に難くありませんが、ハートの意味はよく分かりません。筆者の想像では最も重要な、あるいは中心という意味のハートかなと思わせますがいかがでしょう? ちなみに、現在でも株式会社長谷川時計舗として営業しているようでこんなサイトはあったけど・・・・、はて?このサイトってなんだろう?時計とはあまり関係ないような・・・? |
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入手時状態 埃は被ってるがけっこういい(^o^)。良くある塗装荒れや当たり傷もほとんどなくいい状態。大小の文字板は色合いが異なり、パッと見で大が紙で小がペイントだなと想像つく。ってことは紙文字板下にはオリジナルペイントが残ってるかも?と、当初より想像と期待をしていた。 |
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機械 大きめのアンソニアタイプの地板を持つ機械。地板左側のぼんゼンマイ軸下にはハートHの刻印。振り子が掛かる振り竿は裏側の取付面スレスレから下に延びる。 何度か補修のため取り外された跡があるが、幸い現状で問題となる個所はなさそうだった。 |
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振り子室 ハートH時計の古いタイプで、これまで筆者が見た範囲ではそのすべてで振り子室ラベルは真っ黒でした。元々黒一色なのか何らかの印刷があるのかは不明です。ホントはどうなのか、そのうち赤外線写真でも撮って調べてみましょう。 右写真でボン台は凸字型の台に載って渦ボンが付き、その下を振り竿が通ります。この種としてはあまり見かけない構造ではないでしょうか?この機械の専用設計かと思われます。 |
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っで、こちらが赤外画像 上の写真でも分かる裏板の加工跡が透けたようにクッキリ見えますが、文字や絵のようなものは現れませんでした。どうやら初めから真っ黒な振り子室ラベルだったようです。 ちなみに他の手持ちハートH時計数台も撮ってみましたが、いずれも同じように真っ黒でした。 |
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裏面 中央付近に小さめの愛知時計業組合ラベル跡があります。大正期頃の時計でしょうか? |
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文字板 この文字板は後貼りだなと分かってはいたが、簡単に剥げそうだったのでそれを剥いだらもう1枚出てきてびっくり!。でも2枚目の6時下を見て、どうやらオリジナル文字板も残ってるらしいことが分かった。 |
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文字板剥ぎ かなり冒険だったが2枚目の文字板も剥ぐことに。60度程度のお湯に浸して、途中2回くらい湯を換えながら数時間放置。左写真のようにしばらくすると下のオリジナル文字板が透けて見えてくる。紙が十分ふやけたところで、オリジナルを崩さないよう細心の注意を払いながら剥いでいく。それでもけっこうオリジナルも剥がれ薄くなっちゃったのだがなんとか成功。 って言うか、これだけオリジナルが残ってたならどうして貼り替えなんてしたの?それも2枚重ねで??多少字体も違うので、重ね貼りしてあった文字板はそれぞれ違う時代の物とも思われるが??? ちなみにオリジナルは正確にはペイントではなく、ブリキ板に貼り付けた厚紙の文字板だった。 |
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半田付け直し 十分乾かしてから、大小の文字板とそれぞれの枠をクリップや重錘で反りなど矯正しながら半田付けし直す。入手時より半田付けしてあった個所も、こうして一度熱を掛けて溶かすと歪みが取れます。この時は30Wの半田ゴテしかなくて、熱が逃げて半田も流れずけっこう大変だった。 後に100Wの半田ゴテを購入し作業がずっと楽に。但し、熱を掛けすぎると文字板や枠を変色させちゃう(焦がしちゃう)ので注意が必要。この種の作業には市販の調光器など利用し電圧調整ができると便利です。 |
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補修終わった文字板 最後に文字板の表面保護として油性ツヤ消し透明スプレーを吹いておく。なんてたって時計の顔だからね。やや文字が薄いのは愛嬌としてトレードマークも残ってたし、やはりオリジナルに勝る物はないだろう。 |
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試運転中 筐体から外して洗浄&再注油した機械を付け直し、写真の状態で1週間稼働させ問題なし。(^_^)v |
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レストア終了 最後に文字板と針を付け直しレストア完了。 っが、この機械、ゼンマイの巻き軸がヤケに長くて針との間がスレスレ。前面ガラスとの隙間も6〜7mm程度しかなさそう。全体の様子やネジ穴跡からしてオリジナルの機械と筐体には違いないのだが?? ついでに試運転中の写真や初めの方の写真でも分かるように、振り子も振り子室ラベルと数mmしか離れていないスレスレの位置で揺れます。ちょっとでも捩れがあれば擦れちゃいそう。振り子のスパンも長いのでゆったり大きく揺れる様は見ていて飽きません。 いずれにしろ、手放したくない時計第1号決定!! |
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新規追加 2008年10月23日 | ||||||||