真鍮(黄銅)磨き・メンテナンスについて
 
真鍮など銅及び銅合金素材のメンテについてご質問を受けました。
下記にまとめてみましたのでご参考になさって下さい。

あまり薦められた方法ではありませんが・・・・っと前置きした上で、

この種の錆びたり腐食した真鍮磨きには○ン○ールが非常に有効です。しかし本来の用途外使用でありそれ自身腐食性の液体ですので、前述のように薦められる方法とは言えず自己責任の範疇でとお断りしておきます。
黒ずんだり腐食した真鍮磨きには劇的な効果を発揮しますが、それはとりもなおさず表面を冒していることとイコールです。化学には詳しくないので正確には分かりませんが、これによって赤っぽい生成物が生まれ独特の臭いがすることもありますので、何らかのガスが発生することも考えられます。したがって換気など作業環境には十分注意し、使用後は即座に後処理を行わなければなりません。
可能ならば水洗いを、それが無理ならウェスやティッシュで拭き取った後、他のコンパウンド&ワックス入り金属磨きで丁寧に二度拭きします。普通はそれで問題ないでしょう。後処理を忘れたり時間をおくとかえって酷く腐食させちゃいます。
・・・・そりゃだって塩酸だから!

他の金属や油脂類・木質またはプラスチック関係など、普通じゃない素材が含まれる場合何が発生するか分かりません。繰り返しますがあくまで自己責任で!
 
入手時状態
腐食の激しい振り子の入手時状態
真鍮によくあるプツプツの他、酸化腐食のようなザレた島状の黒ずみが目立ちます。
 
表面処理1
早速、○ン○ールを湿らした綿棒等で拭き始めます。
軽く擦るだけで速効且つ劇的な汚れ落とし効果がありますがあまり長くは続きません。時々液を付け直すようにあらかじめ何本かの綿棒を用意しておきます。
 
表面処理2
目立つ腐食部を素早く且つ丁寧に拭き上げます。
赤い生成物の生まれることがありますが(上写真では左上の外周部)筆者にその正体は分かりません。毒物かも知れませんし水素や塩素などガスの発生も考えられます。あくまで参考紹介ですので、自己責任で! 少しでも気になる方はご自身でお調べ下さい。
 
磨きこみ
コンパウンド&ワックス入り金属磨き(○カール等)で丁寧に後処理&磨き込みを行います。
可能なら水洗いして、それが無理ならウェスやティッシュで拭き取った後、先のコンパウンド等で磨き込みます。
 
上がり状態
腐食の程度により多少の曇り等は残りますがピッカピカ!(^^)(^^)
 
 
使用状態
この振り子の実用状態です。
 
注記)

銅系金属全般や鉄系金属にも腐食除去または汚れ落としという意味では大変有効ですが、それ自身腐食性液体を使用しますので素早く一気に作業を行い確実に後処理を行います。単純な錆落としとはやや異なりますので、たとえば鉄の赤錆落とし等には適さないでしょう。効果そのものはめっき面でも同様に有効ですが、傷みの目立つ、あるいは剥がれかけ等で母材と膜面に隙間やピンホールがある場合新たな錆の要因ともなりますのでケースバイケースです。確実な洗浄や丁寧な後処理が難しい場合は目立たない面で試してから行うことをお奨め致します。

ネジ及びネジ穴、カシメ、圧着等の締め付け部品の隙間や合わせ目、割れ目のあるめっき面、その他もちろん塗装面には不可です。合わせ目等に染み込んだ塩酸は専用洗浄剤や超音波洗浄器具でもなければまず取りきれるものではありません。残った塩酸は微量でも新たな腐食の発生源となりますのでお気を付けください。
木質、プラスチック面等も同様です。取り返しのつかない腐食、変色、割れ等を起こす危険性があります。

また一部の筐体、文字板枠等表面コーティングされてる(らしい)金属面、ドイツ時計によくある文字板のツヤ消し金色コーティングなどの汚れ落としにはおそらく不可。筆者は試したことがありません。もちろんホーローの割れがある場合も上述の理由で使用不可。アンチモニー筐体へは同様の汚れ落とし効果がありますが、その後の長期経過(ヒビ割れやシミの有無とか)は不明。
 
最終更新 2013年 8月 7日
新規追加 2011年11月18日
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