アメリカ/SESSIONS(セッシャンズ)/4.5インチ振り子式木製筐体置き時計
最終更新 2009年 1月 5日
 
外観
概略寸法 幅28cm×高さ25cm×奥行き15cm
文字板 4.5インチ(約11.5cm)紙文字板
仕 様 8日巻/渦ボン打ち・半打ち付き
時 代 1900年代初頭
 
アメリカ古時計メーカーの名門 「E.N.WELCH(ウェルチ)」が1903年「SESSIONS(セッシャンズ)」となり、1950年代頃まで時計生産を行いました。詳しくはこちら(英文)
この時計はセッシャンズとなって間もなく1900年代初頭の置き時計と思われます。

1864年創業のウェルチはアメリカ7大(8大という話しもありますが)古時計メーカー中の1社です。セッシャンズはそのウェルチ直系の時計会社として、バンジョー型など日本では一風変わった時計で有名かと思います。もちろん様々な掛け時計や置き時計を多く生産した大メーカーでした。

ちなみに呼び名について「セッシャンズ」か「セッションズ」か意見の別れるところでしょうが、筆者は前者を採っています。音で聴くと筆者にはそう聞こえるだけのことで、一般にはセッションズの方が通りがいいでしょう。例えて言えばリポートかレポートかみたいなもので、英語の日本語表記だからどちらでもかまわないでしょうね。
 
 
文字板 
文字板
文字板は厚紙製で木製筐体の前面に、枠で挟み込んで固定されているようです。なぜか左開きのガラス扉ですが・・・・ひょっとして枠だけ上下逆か?
文字板にトレードマークはなく、下側に下記のような社名表記があります。
「MADE BY THE SESSIONS CLOCK CO.. FORESTVILLE. CONN.. U.S.A.」
 
裏面 底面
裏面と底面
裏板は後年の手作りらしくオリジナルではなさそうです。
底板はオリジナルで、NC337980と後年の書き込みがあります。中央のナットは渦ボンを支える支柱を留めています。真鍮製円錐型の足4個は後付けでしょうか?
 
機械 刻印
機械
下記の調整部を除き一般の8インチ掛け時計と大きさも構造もほぼ同様な、筐体からすればかなり大きな機械が付きます。ちょうど掛け時計機械を取付面側から見た状態で、筐体表板の裏側に木ネジで固定されています。
地板の向かって右下に「CE」と読める刻印があり、左側の時計用ゼンマイは新しいものに近年交換されたようです。他に目立つ補修跡はなく、非常にいい状態の8日巻機械でした(^o^)
 
調整部
調整部
振り子(重錘)は掛けるだけの固定式でサイクル調整ができません。そこでこの時計では重錘をぶら下げる竿の先にある箔部分(振りベラと言います)の固定支点を、文字板側から直接ネジで上下させて長さを調整しています。文字板の12時位置にある小さな穴がその調整穴です。置き時計ではよく見かける構造でしょう。
振りベラのスパンを直接変化させるためか、重錘の上下よりもこの調整はシビアに効くようです。
 
振り子と渦ボン
振り子と渦ボン
前述のように重錘は掛けるだけで上下動の調整機能はありません。ちょっと見にくいですが大きく「S」と刻印もあり、オリジナルに間違いないでしょう。
渦ボンは太い鋼線を底板に取り付けられた鋳物製支柱にくさびを打ち込んで固定しています。普通ならネジ止めするところでしょうが、こんなところも時代の表れでしょうか?30分毎の半打ち付きで、小さな渦ボンながらまるで大時計のような低く太い音でボ〜ンと鳴ります。
 
巻き鍵
巻き鍵
刻印はありませんがオリジナルの巻き鍵だと思われます。太い方がゼンマイ用。細い方は調整用です。
 
新規追加 2008年10月31日
 
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