筆者の真打ち、それはやはり妙義山を代表とする西上州の山々。
ほとんどが1000m前後のヤブ山。
でも、大いに贔屓させてもらおう v(^_^)
埼玉県北西部から西上州南部にかけて、秩父古生層と呼ばれる石灰岩質の固い岩盤が広がっていることはよく知られている。
秩父の武甲山を代表に、叶山、二子山など独特の白い岩頭や強塩基性の植生は全山石灰岩質の山岳として名高く、付近は国内でも有数のセメント工業集積地でもある。
対して現在の妙義・荒船を代表とする西上州北部一帯の岩峰群は、後年(地質年代的に)その北端付近に現れた大火山の残骸だと言われている。
妙義山付近から反時計回りに碓氷峠、八風山、荒船山、黒瀧山、大桁山と回って、鏑川など利根川支流は無視してジッと地図を見つめてみよう。
ほ〜ら見えてきた!直径20kmにおよぶ大火口〜・・・・ってホントか?
妙義山と共に西上州の白眉と言える立岩、高岩、碧岩など、現代の浅間山をはるかにしのぐ大火山の残骸を筆者達は登っている・・・・たぶん?!・・・・かな ?(@_@)
これより南、神流川流域以南は明らかに石灰岩質が濃く、性質の違う岩盤2者が複雑に交差し西上州の山々を構成している。
標高の低い西上州全体は、基本=ヤブ山 ^^;
その中に目をひく岩峰がランダムに散らばっているという様相である。
山は深く谷も深く険しいもののかなり上流まで集落があり、その沢筋では昔ながらにたたずむ石置き屋根の民家がまさしく日本の原風景を写している。
ご多分に漏れず杉植林が多いのは玉に瑕だが、幾重にも重なる連なった山々を番人のような岩峰がキリッと引き締め四季を問わず美しい。
春はヤシオに代表されるツツジ類に染まり、緑濃い夏の後、特有の真っ赤な蛍光色に色づく紅葉は目にも眩しい。
それは岩峰と松の緑に見事に溶け込み、知る人ぞ知る美しさを見せる。
西上州の山ヤならそんな場所を何カ所か知ってるだろう。
西上州の山は一歩道を外すとなかなかシビアである。
ヤブ山だけに獣道、廃道、仕事道、登山道がそれぞれ複雑に交錯する。
登山者増加に伴い最近でこそ道標の類も整備されるようになってきたが、それは域内の多少なりとも名のある山岳での話し。
筆者好みのバリエーションやほとんど廃道となった峠道ではわずかな痕跡を頼りに、経験と五感と推理力(判断力)と、ついでに第六感まで総動員する。
致命的かどうかはともかく迷いやすいという意味では中部山岳よりはるかに厳しく、岩稜・岩峰でなくともルートファインディングは必須条件。
(バリエーションでの話しだが)時には時速数100mとなることも稀ではなく、たびたび現れる岩稜や滝も散りばめられ、ヤブ山と言えど飽きさせることがない。
岩峰上に立てば眼下の谷筋でわずかな平地にひしめき合う集落や、下流に広がる俗世間を鷲・鷹の気分で睥睨できるだろう。
ことさら考えることなく足下に続く道を当たり前のように歩き、あるいは人についていけば山頂に立ててしまう山とは訳が違う。
頭と技術と経験と、たまにファイトーッ一発!なくして登れないのだ。
パッと見で目に焼き付く奇岩・怪石の山、妙義山。
西上州のドロミテ、高岩と立岩。
テーブルマウンテン、荒船山。
美しい名と伝説に彩られた、物語山。
秘境の山の名をほしいままに、諏訪山。
集落間を結ぶ無数の峠道。
里に道祖神と庚申塔、山に石宮・石仏・石碑が数えきれない。
見ても登ってもいい山、西上州。
ふるさとの誇るべき山々! |