タンポポ
最終更新 2006年3月27日
 

関東でタンポポと言えば、普通、帰化植物のセイヨウタンポポ(又はアカミタンポポ)を指す。

   が、西上州ではいまだカントウタンポポが大健闘。とは言え、両者の縄張り争いも勃発。

      すでに一部地域はセイヨウタンポポに征圧され、果たして10年後の勢力図はどうなることか。

 
カントウタンポポカントウタンポポ

一見セイヨウタンポポとの区別はしにくいが明確な見分け方がある(下記参照)。
花期はカントウタンポポの方がやや早い傾向があり、西上州では3月上旬からボチボチ咲き始める。
最盛期は4月中旬から下旬。
比較的交通量の少ない道路脇の草むらなど、どこでもその姿を見られる。
 
セイヨウタンポポセイヨウタンポポ

やっと見つけたセイヨウタンポポ。
本来カントウタンポポより一回り大きいはずだが、ここでは隣の関東衆に対してやけに遠慮気味に咲いていた。
小ぶりと言うところからアカミタンポポかも知れない。
 
カントウタンポポとオオイヌノフグリカントウタンポポとオオイヌノフグリ

西上州でよく見られる組み合わせ。
他にホトケノザ、カキドウシ、ヒメオドリコソウなどとタッグを組むことも多い。
もっとも当事者通しは勢力争いなのだろうが。
 
シロバナタンポポシロバナタンポポ

タンポポの仲間の中で白い花はこの種だけらしい。
西上州では特定の地域でこの種だけ群落をなして咲いていて、他との勢力争いはない。
理由は不明だが飛び地的に咲いてるところから、家畜飼料などに紛れ込んだ種が根を下ろし・・・・などと想像する。
 
混血種?のタンポポカントウタンポポとシロバナタンポポの混血?

←こんなタンポポを発見
下で説明する総苞片の特徴は確かにカントウタンポポ。
でも花にはシロバナタンポポの特徴も。
付近にシロバナタンポポはまったく無いのだが・・・・?
もっとも遺伝的に両者の混血は困難との情報もあり、農薬、土壌、酸性雨、自然条件など微妙な要因があるのかも知れない。
  
カントウタンポポとセイヨウタンポポの見分け方
カントウタンポポ セイヨウタンポポ
 
↑↓の写真で蕾や花を包む総苞片(そうほうへん=矢印部)と呼ばれる部分が閉じて、三角の突起があるのがカントウタンポポ(写真左)、突起の無いのがエゾタンポポ。
西上州でも地域的な差こそあるが、これらタンポポを見つけるのは比較的容易である。
セイヨウタンポポは先端が反り返って開く(写真右)。
エゾタンポポ セイヨウタンポポ
左)エゾタンポポ  右)セイヨウタンポポ
 
セイヨウタンポポやシロバナタンポポは受粉せずとも種が出来、急速に勢力を拡大した。対して、カントウタンポポやエゾタンポポは受粉無しには種が出来ない。明治時代にセイヨウタンポポが食用(葉をサラダなどとして生食)として輸入された時点で、今日の勢力図は決定されていたのである。
種の輸出入は難しい。
人為的とも言える淘汰によって日本古来の在来種が消滅するとしたら・・・・やはりそれは悲しい。
 
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