36.愛称は「グリーンプラ!?」 |
生分解性プラスチックの愛称として「グリーンプラ」という名が選定されて久しい。 すでに10年近く前の話で、本来ならもうそれなりの知名度も期待したいところだろう。 しかし、このサイト中でも「グリーンプラ」と単独記入した部分はまだない。 残念ながら現在の「グリーンプラ」という言葉には、必ず「生分解性プラスチックのことだ」という注釈を付けなければならない。 「愛称付けたら?」と、言い出しっぺを自認する筆者(⇒こちら参照)にとってもこれは大変残念なこと。 どうひいき目に見てもいまだポピュラーになってるとは言い難いのだ。 もちろんBPSを中心に積極的な露出はされてきているのだが、何せ生分解性プラスチック自身の普及さえおぼつかない現状では、それもさもありなんというところか? グリーンプラという愛称には当初から賛否両論があったようだ。 愛称を付けること自身に反対があったとは聞いてないが、選定された結果のグリーンプラという名には疑問を呈する意見もあったと聞く。 もちろん一般公募だから応募者多数ゆえ、様々な意見があってよい。 聞く限りでそれら疑問意見を総合すると、概ね「プラ」というところに引っ掛かっているように筆者には思えた。 プラスチックの仲間を現す言葉としてプラとはごく自然な表現とも思える。 しかしこれまでの延長ではない全く新しい素材としてアピールしたいという考えもあり、「あえてプラの名を冠さなくても」というのがその理由だということらしい。 従来プラスチックの亜流とも連想させる「***プラ」、という表現を嫌がったのだろう。 とはいえ、個人的にはけっこう気に入っていることをここでは表明しておきたい。 何より「グリーン」という言葉は植物を連想させる。 最近多く聞く「グリーン***」という言葉など、現在の産業界では環境関連のトレンドと感じる人も多いことだろう。 一般にも「グリーンプラ」=「植物性のプラスチック?」、くらいのイメージは誰もが持ちそうな期待もある。 果たして諸外国で同じような愛称があるのか知らないが、英語では一応「Biodegradable Plastics(バイオデグラダブル・プラスチック)」という言葉が当てられている。 日本人には舌を噛みそうな言葉である。 おそらく、その発音しづらさは英語圏の人にとっても同じではないかと思われる。 ちなみに、欧米などで実際に生分解性プラスチックのことがどう呼ばれ表現されているのか、残念ながら筆者に資料はない。 しかしいずれにしろ、業界を除く一般への認知度はやはり低いのではないだろうか? もう一つちなみに、お馴染み「BPS(生分解性プラスチック研究会)」の「BP」はここから取った頭文字でもある。 現在業界で普通に使用される「汎用プラ(汎用プラスチック)」や「エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)」の言葉が、どのように普及したかを筆者は知らない。 おそらく自然発生的に使われるようになった分類用語が、やがて略語化された結果だろうとは思われる。 対してグリーンプラは初めから普及を意識して作られた固有名詞である。 さて、このサイトでも「生分解性プラスチック」に代わり、「グリーンプラ」と注釈無しに呼ぶ日はいつになるのだろうか? |
−つづく− |
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