わっからねえなあ(その2.音楽ジャンル)  990401  No.24
最終更新 2005年3月10日
 
記者 : 「時々こんなメールが届くそうです。
「どういう好みでいろんな音楽ジャンルを聴いてるんですか?」って。」
天野 : 「ま、確かに普通クラシックを聴く奴ってボーカルやジャズは聴いても、ヘビメタは聴かねえよな。」
記者 : 「ヘビメタをガンガン聴く人が、実はクラシックも聴いていた、って言うのもあまり聞いたことありませんよね。」
天野 : 「うん。まあ隠れファンは居るんだけどね。
でも好みって言うとなあ・・・・?、逆になんでジャンルにこだわっちゃうのかわからねえなあ。
何だかんだ言っても気持ちいい快感というか感動というか、そういうものを味わいたいなら音楽はもちろん、他の芸術でも遊びでもスポーツでも関係ねえと思うけどなあ。ある一つのことに感動できる人ならまだ知らない他の中にも、必ず感動できる内容は含まれてると思うよ。たとえ何の分野にせよ、そうやってそれを支持した人達がいたからこそ現代まで生き残ってるわけだろ。」
記者 : 「そりゃまあそうかも知れないけど・・・・、普通はねえ・・・・。」
天野 : 「そうやって自分で壁作っちゃってんじゃねえの?。何にでも興味を持つようにしなくっちゃ。
もっともそう言う俺も他の分野では「興味がねえ」って言い放ったことがあるから、あまり人のことは言えねえけどな。まあ言い訳すれば俺が興味ないって言うのはすでにそのジャンルがあきらかに飽和状態だったり、儲け主義があまりに露骨に見え見えだったりしたものだよね。たとえて言えばこの前の「百名山」とか、ブランドべったりのファッションとか。一応俺って商品設計を仕事にしてるからさー、特に後者のブランド品なんて見ればだいたい原価なんか想像ついちゃうんだよねー。それが分かっちゃうからさー、たかが名前だけでバッカじゃねーのって思っちゃう。」
記者 : 「はあ・・・」
天野 : 「まあとにかく質問にあった音楽について言えば、確かにほとんどのジャンルを壁なしに聴いてきたよね。それで「聴いてみたらみんなそれぞれに良かった」っていうのが正直な感想。支持した人達がいたことも俺なりに理解出来たつもり。正確に言えば聴いてきたすべてのジャンルで、感動できる音楽を知ることが出来たってことかな。」
記者 : 「それってもう、うらやましいですよねえ。やっぱり普通はそこまで聴きませんって。」
天野 : 「いやだからね、聴く量じゃないんだよ。あまり言うと生意気だって怒られちゃいそうだけどね。」
記者 : 「まあねえ。でもやっぱり特殊ですって。」
天野 : 「じゃ逆に優柔不断っていう言い方にしとこうか?
確かにベストはどれなんだって決められないところはある。それを優柔不断だって言われれば、まあそういうことになっちゃうな。そう言いながら実はおまえが一番ジャンルにこだわってんじゃねえのかって、誰かに指摘されたりして。」
記者 : 「するどい人も多いですからねえ。」
天野 : 「俺に言わせるとさー・・・・たとえばクラシックなら、それを聴かないほとんどの人は単純に聴かず嫌いだと思うな。
聴き慣れてない人がクラシック聴いたりするとよく眠くなっちゃうって言うだろ。それを理由に「俺(私)には向いてない」って思っちゃうのかも知れないけど、俺に言わせればまったく逆だよね。つまり音楽(=音)によって不快を感じたら(たとえば窓を引っ掻く音とか工場の騒音とか)、普通気になっちゃって眠りずらくなるでしょう。眠くなっちゃうってことはすでに心地いいと感じてるからで、安心できる状態だからそうなっちゃうわけ。それは動物としてもっとも無防備な状態だよね。ってことはクラシックを聴いて眠くなっちゃう人は、すでに、その音楽に心地よく酔っちゃってる証拠なんだよな。」
記者 : 「上手いこと言いますねえ。まあそうですかねえ、言われれば。」
天野 : 「だからさー、クラシックを聴いて多くの人が眠くなっちゃうとしたら、その時点で音楽として成功したことになる。ハードロックを聴いて興奮するのもクラシックを聴いて眠くなるのも、両方とも同じように快感を得てるわけで、身体の外面的な現れがちょっと違うだけのこと。
俺なんかどっちを聴いてもすぐ眠くなっちゃうけどな。」
記者 : 「そんなもんですかねえ。」
天野 : 「そんなもんなの。だから俺が感じるそういう快感にはクラシックもロックもジャズもまったく関係ない。ついでに言えばアイドルポップスや民謡やフォルクローレや宗教曲もみんな同じ。どうして世の人達がそういう音楽を一緒に聴けないのか、俺にとってはそっちの方がよっぽど不思議でしょうがない。
バッハやモーツァルトのミサ曲の後メタリカを聴いて、ジャズで一服した後ZARDを聴いたり、そんなこと平気で出来ちゃうし何の違和感もない。買う時なんかそんなCDが入り交じってたりするもんだから、店員にいつも変な顔されたりしてね。大きな店だといくつかのレジを渡り歩いたりとか。そのうち「分けて包みますか?」なんて親切に聞かれちゃったりして。」
記者 : 「う〜ん、やっぱり変だ。」
天野 : 「変じゃないよー。そんなにおかしいか?。」
記者 : 「おかしいですよ、やっぱり。普通真似る人はいないでしょう。」
天野 : 「まあそりゃーね、いいんだけどね。別に真似てもらわなくていいから。ただ質問の答えとしてはこういうことなんだってことをわかってほしいね。」
記者 : 「はい、わかりました。」
 
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