2000年はこうなる 000101 No.33
記者 : 「ミレニアムの年明けももうすぐ。恒例の時期がやってまいりました。」
天野 : 「2000年の占いって訳ね。」
記者 : 「はい。99年の予測も当たらずとも遠からずって感じでしたよね。
ノストラダムスの顛末、1ドル100円割れを予測した円高、アメリカ株式相場の暴落、17000円台後半と言った日本の株式相場、そして2000年問題。僕が言うのも失礼ですが、全体を通して6割程度は当たったかなってとこでどうでしょう。
そこで来年の予測もその線でお伺いしたい、ってことで。」
天野 : 「うん、まあかろうじて100円割れは死守したという感の円高、17000円台後半の株式相場なんかはいい線だったね。アメリカ株式相場の暴落が起きなかったのははずれてよかった。当たっちゃったらどうなったことか。」
記者 : 「ええ、ホントに。はずれてよかったです。」
天野 : 「で、2000年はどうかっちゅー訳だけど、基本的には99年の延長かなって感じだよね。流れ的に。
たとえば為替相場なんか、やっぱり円高気味の推移に変わりないだろう。1ドル80円台後半から110円前後のボックス圏って感じかな。理由は1年前言ったことと同じ。アメリカ当局の戦略的操作が続くと見ていい。そしてその円高が日本の景気に水を差すことなく、むしろ下支えになるっていうのも同じ。
なぜかってえと、あまり騒がれてないけど99年はけっこうな原油高だったんだよね。この1年でおよそ2倍になってる。ところがほとんどニュースにならなかったろ。まあ、もともとダブついていた原油が元に戻っただけってこともあるけど、それにプラスしてずっと円高だったってことも見逃せないよな。同じ理由で世界一の資源輸入国である日本にとって円高は決して悪いことばかりじゃない。むしろ日本全体で見れば円安の方がはるかに影響は大きいと思う。円高=輸出企業が・・・為替差損が・・・ってすぐ言われるけどさあ、それは目につきやすいからマスコミが騒ぐ訳で、冷静に考えれば国の通貨が弱くなっちゃう方が余程問題じゃねえか。」
記者 : 「そうですねえ。確かに地下資源も農産物も輸入に頼ってはいますよね。ただ同時に世界一の債権国であるのも事実だから、あまり上下に振れても困る。最終的にはやっぱり為替の安定がっていうことなんでしょうね。」
天野 : 「うん、95円〜100円くらいがベストだと思うけどね。
もっともいくらアメリカが巨大な影響力を持つといっても、一国の思惑だけでどうにでも自由に出来るという訳じゃない。やはりそこにはマネーゲームのディーラーをうまく利用してっていう、したたかさが見え隠れしてるよね。半ば国の威を受けた経済学者自ら、自分の理論を証明するために動いたりとか。はっきり言ってちょっと質が悪いよな。発表されればどっちみち試してみる奴が出てくるんだろうけど、てめえで金儲けに走るんじゃねえって。」
記者 : 「いましたねえ、けっきょく破産しちゃったりして。ざまあ見ろって大笑いしてやりましたよ。」
天野 : 「同じように国際情勢を無視出来ないのが株式相場。
99年はとにかくアメリカがよく踏ん張ったね。大したもんだと思うよホントに。2000年は更に難しい課題を背負っちゃうことになると思うけど、何とか暴落を押さえて軟着陸してほしい。たとえば3〜4年かけて9000ドル前後に向かうようなね。日本にだって当局にあれくらいの冴えがあれば、15000円を下回るようなことは無かったろうにな。
で、問題は日本の相場って訳だけど、もう相変わらずって言われそうなほどえらく楽観的なんだよね。かなり期待しちゃう。多少の上下はあるとしてもアメリカの暴落が無いっていう前提で、年半ば前後にはピーク時で24000円以上、年末でも22000〜23000円は堅いね。」
記者 : 「ほーんとですかあ?。そんなに甘いかなあ?。」
天野 : 「えっへっへっへ、そうなの。
まず99年7月から急激に上昇した相場は知っての通り、外国人投資家の買い意欲のためだったよね。その後外国人が離れ気味になっても今度は回復期待と、ネット&ハイテク関連株が下支えしてとりあえず高水準は保ってる。で、現在は?ってえと欧米もアジアも一時の落ち込みを脱して絶好調だろ。2年ほど前、特にアジア経済なんかあれほど騒いだ落ち込みがさあ、今じゃまったく嘘みたい。現金なもんだよな。欧米・アジア両市場共史上最高値の更新ラッシュだもん。足下は決して安泰とも言えないのに、ホントかいなって思っちゃうよ。
対して日本は高水準とは言っても未だバブル時の半分以下。それでいったい何時からなんだって調べてみると、実はバブル前夜と言っていい86年水準の株価がちょうど現在と同じ18000円前後なんだよね。ってことはこの15年近く株価的には横這いだったと同じことか?。こりゃあもう格安に見えるだろ。今のうちに買わなきゃ損てなもんだよ。よって現在の欧米やアジア市場が一段落すれば、再び割安感のある日本市場に本格的な外国人参入があると思うね。おそらく99年以上の規模で。もちろん国内投資家も大概こんな時は右へ倣えだから、もう完璧なシナリオだろ。」
記者 : 「またまたまた、ホントかなあ?。どうも怪しいなあ。」
天野 : 「怪しいよなあ、俺もそう思う。前提条件がコケたら再び奈落の底ってこともあり得るもんな。なんてたってけっきょくネット&ハイテクの一極集中だからね。
でも実際、今後5年ほどでネット関連はもちろん、同じく関係した家電(デジタル家電)も自動車も、おそらく商品として市場に出て以来の大転換を遂げると思う。当然部品業界や材料業界も影響受けずにいられない。なんてったって総どっかえの規模だから。もちろん流通業界なんかも今とは違った形態の商売が新たに発生する可能性大だよね。で、結果的に設備投資の緩やかな復活と全体的な底上げがなされ、出遅れ株も含めた上昇が期待できるってことなんだけどさあ。2000年はその出発の年になるって訳だな。」
記者 : 「全部いい方に解釈すればって感じ。」
天野 : 「バレたか。ま、とにかく言葉通り景気良く上がることを期待しよう。
それで99年がミレニアムだったように、2000年後半は世紀末フェアーが花盛りってことにもなりそう。ついでに2001年前半は新世紀の新プロジェクト目白押しってどうだ。」
記者 : 「ああ、それはありますねえ。二匹目のドジョウですね。」
天野 : 「だろ。また1年後は面白いよ。今度は新世紀幕開けのって、色々商売考えちゃうねえ。果たしてどんなグッズが現れるやら。まあ、間違いないのは「21」っていう数字に関係したものだね。
それから日本では、特に2000円札に関連して均一セールとか流行るよね。この件は別項(991101)で言ってるからそちらを参照してもらうとして、俺の考えとしては少ない投資で大きな還元、って訳で国の投資としてはいいヒットになるね。
ついでに関連してまさかって気もするけど、古典ブームと沖縄ブームが再燃するかも。特に沖縄はサミットや普天間の問題もあるし、いずれにしろ注目集めることは間違いない。」
記者 : 「いやー、そうですかねえ?古典ブームまではちょっと・・・・?。」
天野 : 「それと世紀末になって、益々妙な宗教団体のトラブルも出てきそうだね。ちょっと聞くだけでも片手くらいの数はあるから、色々明るみになってくると思う。
まあ、いずれにしても大方の人が思う以上に、経済的にはけっこう良好な年になりそう。日本経済復活の足がかりになる年だと思うね。」
記者 : 「だといいんだけど・・・・そうかなあ?」
天野 : 「そうなの!!」