600兆はこう返す 000820 No.34
記者 : 「久方ぶりの登場です。このコーナー無くなっちゃうのかと思いました。」
天野 : 「いやー、年初から5月くらいにかけて忙しくってね。ついついそのままになっちゃった。」
記者 : 「まあ何はともあれ、復活第1段はなんか難い話題みたい。」
天野 : 「うんにゃ、そんなことないよ。
俺がねえ、600兆を返す起死回生の妙案?いや珍案?かな、そんなものを授けてやろうと思ってね。偉そうだろ。」
記者 : 「600兆って・・・・え〜〜国の借金のことですか?」
天野 : 「国と地方合わせて借金約600兆円。目が眩む。
100万円の束が約1cmの厚みとすると1億円分積み重ねて1m。1000億円で1000mだから1kmだろ。1兆円で10kmだよね。600兆円ってことはその600倍だから、なんとなんと6000km。」
記者 : 「!!!・・・・・・・」
天野 : 「どっっっっか〜〜〜〜ん!!、だよね。」
記者 : 「それって・・・・ハワイまで届いちゃうんじゃないですか?」
天野 : 「ああ、横に並べれば近くまで行っちゃうねー。」
記者 : 「う〜〜・・・・言葉が出ない。笑っちゃうしかない。」
天野 : 「まったく」
記者 : 「どうせそこまで借金したなら、いっそのこと100万円くらいくれないかなー。え〜〜と、すべての国民に100万円ずつ配ったとしてー、それだって130兆円くらいかな。600兆に比べりゃ安いもんだ。だいたい100兆円使ったって大して経済良くなってないんだから、いっそのこと100万円の1年間限定商品券なんてどうですか?」
天野 : 「おお、それもいいねえ。その1年期限の100万円券がさあ、たとえば自分の現金20万円以上足さないと使えないとかね。そうすればほとんどの人は何とか20万円工面して、商品券と合わせて120万円使おうとする。1年で少なくても26兆円(20万×1.3億人)近くの個人消費が生まれる訳だ。その26兆円を通常の個人消費にプラスさせないと意味が無いから、使う条件として旅行や新規住宅着工費またはマンション購入費なんかに限定しちゃう。一部の耐久消費財なんかもいいかな。けっこう100万円以上工面して使おうなんて人もいたりしてさー、商品券と合わせ200万円以上使ったりとか。そうなると個人で工面する平均額もずっと上がるかもしれないし、国の投資130兆円なんてのも以外と簡単に返せるかも?」
記者 : 「なんか話だけだと嬉しくなっちゃいますねー。細かく考えればそう簡単じゃ無いだろうけど、多少形を変えても一考の余地ありかも。我ながら思いつきとしてはよかったかな。はっきり言って以前やった限定された人だけ対象で、それも数万円くらいじゃ効果は薄い。大枚使わせるんだから多少はあんたも払いなってことですよね。それくらいの条件だったら付けたっていいんじゃないかなー。使わない人は使わなくていい訳だし、その方が国の支出も少なくて済む。どっちみち1年期限ですからね。」
天野 : 「うん、俺が言いたいのは要するに柔軟な発想なんだよね。そんな難いこと言わずにさー。600兆円っていう数字はお前も言ったように、もう笑うしかないような数字なんだから。」
記者 : 「ですよねー。まじめに考えるのさえアホらしくなっちゃう。」
天野 : 「そこでアホついでに俺の提案なんだけどね。」
記者 : 「はいはい、伺いましょう。」
天野 : 「一言で言うと、公営カジノの大展開。つまりギャンブルの胴元を公的機関でやっちゃう訳。もちろん競馬競輪なんてのじゃなくて、ラスベガスみたいなそのまんまカジノを運営する訳ね。最近じゃ石原都知事の発言などでようやく現実味を帯びてきた。」
記者 : 「・・・・そりゃー・・・・やっぱまずいでしょ。」
天野 : 「なんで?」
記者 : 「だってー・・・・えー・・・・」
天野 : 「細かいことは抜きにして、考えられる大問題は二つ。一つはやっちゃんのようなその筋の温床にならないかとの心配。もう一つは自己破産する人が続出して犯罪の増加に繋がらないかっていうこと。」
記者 : 「うん、・・・・でしょうかね。」
天野 : 「前者については厳格な法的規制と罰則がもちろん必要だよね。違反者には事の大小に関わらず問答無用で(もちろん裁判はするが)無期懲役、または全私財の没収など考えられる最大の歯止めをかける。ラスベガスや香港・マカオのカジノだってそういう人達が関わってない訳じゃないだろうけど、日本のカジノはそれ以上の世界的手本となるような厳格さを要求されるね。やっちゃんはもちろん、取り締まり側の腐敗もいっさい許さない開かれた第三者機関を専門に設ける。とにかくあらゆる手段でそういう輩を運営から閉め出すのが大前提となる。」
記者 : 「まあ、それでうまく行ったとしましょう。」
天野 : 「より難しいのはむしろ後者の方。何しろ人間に欲がある以上一攫千金は誰もが夢見る。特に日本人のギャンブル好きは丁半の時代から伝統的と言ったっていい。それはもう数十兆円産業と呼ばれるパチンコの例を出すまでもないよね。おそらくカジノなんて解禁された日にゃー破産者続出は間違いない。バカなおやじのために路頭に迷う家族も出るだろう。貧富の差が突然に増すかもしれない。当然そこからは犯罪の増加が危ぶまれるし、そんな道程は目に見えてる。しかもどちらかというと低所得者にその種のマニアが多いだろうことも想像に難くない。つまり「弱者から搾り取るのか」って正義感を振りかざす奴が必ず現れる。
が、しかしだ。俺に関しては徹底した自己責任主義なんだよね。バカなおやじ(だけとは限らないが)が能力や私財をわきまえもせず破産したってさー、そんなの自己責任以外の何を理由にしたらいいの?。当然の結果じゃん。そんなの誰も悪くない。すべてはお前の責任だ。そう言い切ることが必要。」
記者 : 「厳しいなー。それで事が済めばいいけど実際そう簡単にはねー・・・・。犯罪ばかりじゃなく自殺者や心中なんてのも増えそうだし。」
天野 : 「ま、あくまで自分の場合ね。
一般には情けないことにそんな論理は通用しない。ギャンブルで破産するようなバカは自己責任どころか大概人のせいにしたがる。要するに格好だけ大人で中身は子供っていう「とっちゃんぼうや」に多い。かと言ってやはりそんなバカでも何らかの救いがないと犯罪の増加は防げないだろう。言葉が適切かどう分からないが学校的(教育的)内容を合わせ持った隔離収容施設、またはカウンセリング施設などは絶対必要だよね。当然その運営費はカジノの利益から捻出することになるが、おそらく利益の最大20〜30%も回せば十分だろう。ちなみに運営母体もディーラーも、もちろん破産者収容施設も、社員はすべて国や自治体の公務員として担当する。いわゆる財政改革によるリストラの受け皿にもなるわけね。各社はそれぞれ株式会社とし株式を公開。もちろん会社内容も原則公開の責任を持たせる。要するに国民の監視下で運営されること。」
記者 : 「う〜〜〜ん、多少矛盾は感じるなー。」
天野 : 「バレた?」
記者 : 「まあ、一つの案として伺っておきましょう。天野さんの構想だと年間売り上げと言うか、どれくらい借金の返済に当てられそうなんですか?」
天野 : 「確か国家予算の1/4くらいは国債の償還に当てられてるはずだから、今年だったら20兆前後かな。そこで1億3000万の人口の内4人に一人くらい3000万人が一月に1回、カジノで1万円使ったとする。そうすると年間3000万×1万×12カ月で3兆6000億。実際の平均支出はパチンコの例を見てももっとずっと上がるだろうし、運営次第では海外からの客も期待して、おそらく年間十兆程度の売り上げかな。先の国債償還費を一部に流用しても尚十分な利益は出せると思うね。それに当然公的運営だから売り上げの多くは借金返済の他、再び様々な予算や投資に回される訳で、社会保障や環境など差し迫った問題の解決策として使ってもいい。」
記者 : 「何だか国民の金を巻き上げるだけの手段みたい。」
天野 : 「おっ、するどい。
「金は天下の回りもの」って言うでしょ。いくら貯めてても使わなきゃ意味がないの。使って初めて金の価値が現れる訳ね。使わない金は単なる紙切れと同じ。いっそのことインフレにするぞって脅してやりたいくらい。まして財産を残そうなど、アホかって言いたいね。テメーらの子供を堕落させるのは「お前達だ!」と指差してやろう。」
記者 : 「僕はノーコメント。」
天野 : 「最後にもう一つ問題があった。公的運営だからって間違っても官僚的運営にならないこと。運営母体や従業員は公的でもそのノウハウは民間にすべて任せ、顧問として参加する。これも絶対条件。」
記者 : 「了解しました。」