Bouetooth・携帯電話・パソコン・TV・インバータ器具? 010103 No.36
天野 : 「21世紀初頭、今後数年の間に世の中を大きく変える可能性ある技術が次々産声をあげてるよね。」
記者 : 「「Bluetooth(ブルー・トゥース)」なんかですね。」
天野 : 「Bluetoothは微弱電波で狭い範囲(たとえば家庭内の一部屋とか一事務所内とか)の通信を相互に行うやつね。他にも電話線・電灯線・有線・無線を問わず色々あるけど、とりあえず現時点で家庭内ネットの本命と目されるものだよね。
で、家庭内の機器がネットで相互接続されるとどういうことになるか?、ってーのは専門書に譲る。」
記者 : 「ガクッ、なんだ!」
天野 : 「まあ要するに、「面倒な手間が省けるようになる」と考えればいい。益々人間は動かなくなるね。動くのは目と手だけ。だいたい頭を使わなければ出来ないよーじゃ普及もない。
とにかく、ここでその大本命に使用されるのがUHF(極超短波)の最高周波数帯でもある、「2.4GHz(ギガヘルツ)帯」を中心とする電波とされるらしい。」
記者 : 「なんか難しそうですねー。」
天野 : 「そうでもない。・・・・そうでもあるかな?
一般に電波は周波数が高いほどエネルギーは大きく、容量(利用効率)も大きく、到達距離は逆に短くなる傾向がある。その極限は?ってーと、これがγ線やX線ね。でもこれじゃ放射線だし、エネルギーが高すぎて危険過ぎる。未だ民生利用出来るほどの技術もない。精々レントゲンとしてX線で写真乾板を感光させるくらいだね。現実的には「光」までの周波数帯ってとこだろう。」
記者 : 「あー、光も電波でしたっけ。最近なら光ファイバー網の普及が急がれてますが・・・・」
天野 : 「うん、実際に光はすでに大容量通信技術として、まだ能力の極一部だけど実用化されてる事実がある。まあ、1GHz前後の周波数帯からこの光を含めたあたりの帯域が現代通信技術の花形帯域、ってことは間違いない。
ちなみに光の波長を500nm(ナノメートル)とするとその周波数は、光の秒速30万km/500nm=600THz(テラヘルツ)となる。光の潜在能力がいかに大きいか分かるだろ。おそらく制御可能で将来を見込んだ十分余裕ある周波数、ってなるとそういうことになっちゃうんだろうね。Bluetoothで実際に使用されるのは光じゃなくてさっきの2.4GHz帯だけど、とにかくそんな通信が数百円のワンチップで出来ちゃう。」
記者 : 「やっぱり難しい。」
天野 : 「もうちょっと。
何てたって数百円の小さなチップだからねー、何にだって組み込めちゃう。他の技術との住み分けという意味で実際にはモバイル機器を狙ってるわけだけど、その気になれば家庭電化製品全部が対象と言ってもいい。まあ、どう使うかはソフト次第だけど。」
記者 : 「はあー?」
天野 : 「そこでこの辺の電波に特徴的な能力なんだけど、実は単に通信利用だけじゃなくて「熱の発生」ってーのもある。熱に関してはこれより周波数が低くても高くても効率は落ちちゃうんだよね。たとえば電子レンジは2.45GHzの電波を食物に当てて、その中に含まれる主に液体分子を強力に振動させる(24.5億回/秒)。平たく言えばここで発生する摩擦熱で調理する電化製品の訳ね。
効率よく最も熱を発生しやすい周波数を選んだ結果、が2.4GHz帯であったってことかな。」
記者 : 「分かったような分からないような・・・・?。」
天野 : 「ところで、人がこの電波を浴びたらどうなる?」
記者 : 「熱が出ちゃいますねー。」
天野 : 「だよな。
まず懸念されるのは白内障かな。たとえ秒単位の短時間だとしても、電子レンジの中ほどの電波を浴びたらそりゃーもう危険この上ない。タンパク質で出来た角膜やら水晶体やらが熱の発生で、まるでゆで卵の白身のように白濁しちゃう。浴びたとたんいきなり白濁が始まるほどの強い電波でありゃー、目以上に他の臓器、特に脳がやられちゃうかもしれないし。」
記者 : 「怖いですねー。」
天野 : 「怖いよなー。
もちろん市販されてる電子レンジにそんな電波漏れは100%無いと思う。たとえば、ドアのガラス板にはパンチングパネルっていう穴あきの金属板が必ず挟まれてるだろ。あれはあの穴から中を見つつ、電波を遮断してる訳ね。調理中の中を見たい、でも電波漏れは絶対に防がなくっちゃならない。電波は波動だから、その波長に見合った十分小さな穴からは外に出られないって訳。そう習ったよね。
もちろん電気的にもドアスイッチを始め二重三重の安全装置はある。ただそれでも使い方を誤ると?・・・・やっぱり怖い。ドアスイッチの接触不良や食品カスが詰まってたりしたとかさー。実際けっこう調理中にドア開けたりするだろ。普通はドアスイッチがあるから開けた瞬間に切れるけど、もし切れなかったらねー・・・・。あたしゃ業務用の大出力の電子レンジなんか、とても近くでのぞき見る気になれないな。」
記者 : 「あんまり脅かさないでくださいよ。」
天野 : 「もちろん、この手の物理量には「一定範囲を超えなければ影響の現れない」とされる値がある。いわゆる「しきい値」って奴。有害物質の環境基準なんかは普通この値を元に決められてるよね。実際は安全率を見込んでしきい値の更に1/10とか1/100とか、環境基準なんかそうなってんじゃないかなー。
ところがところが、電波を含む「波」でやっかいな奴に「共振」ってーのがある。カラオケのハウリングとか、日光の「鳴き竜」なんか代表例だね。マンションのような向き合った硬い反射性の壁なんかすぐ音が共振しちゃう。電波だったら、アルミ箔の貼られた断熱材、金属製の置物やスチール家具類、ブラインド、モルタル壁の金網なんかも関係するかなあ。
共振では状況によって、仮に電波だったら時には数万倍単位となって、ある特定の場所に集中する可能性もあるらしい。はたして、もしその近くにいつも特定の人が座るイス、なんかあった日にゃーねー・・・・??」
記者 : 「う〜〜〜ん・・・・無いとは言えなそうですねー。」
天野 : 「Bouetooth、携帯電話、パソコン、TV、インバータ照明器具、その他電気で動く機器全部が様々な電波を出す。21世紀はエネルギー効率の面から家庭も事務所も益々機密性が上がる。それは同時に電波に対しての機密性も上がるってこととイコール。っとなると、たとえ微弱電波とは言え、それこそ四六時中どこに行ってもそういう電波を受け続けることになる。ホントに大丈夫かいな?って思うよね。10mWだって1万倍となりゃー100Wだよ。個々の機器なら確かに微弱だけど、だからって複合しちゃったりしたらホントに影響ないって保証してくれるんかいな?」
記者 : 「無理でしょう。そんな保証するわけ無い。」
天野 : 「未だ電波そのものの強度への安全基準だって確たるものは無いのに、無線技術ばかりが先行っちゃって気づいてみたら周りは電波機器ばかり、って思うよな。」
記者 : 「思いますねー。」
天野 : 「・・・・っとは言ってもね、今までの話、ほとんど杞憂って奴ね。過剰反応しちゃーいけないよ。人の体とその受ける影響はそれほど単純じゃないし、携帯電話の電波の影響などまだまだ未解明な部分が多い(未解明だから怖いとも言えるけど)。電波にしたって常時放射されてる訳でもないだろうし、たとえ共振が起きても数万倍まで増幅されることなんて極めて極めて極めて稀なこと。
あくまで可能性の表明ってことね。」
記者 : 「えーっ!今更そんなこと言ったってー・・・・」