4.百名山をぶっ飛ばせ!!
 
筆者は断言する!
近い将来、山用の「鑑札」が出来ます。
そして、必ずや百名山のあちこちで実数制限を伴う本格的な入山規制が行われます。



大雪山、尾瀬、上高地、乗鞍、黒部・立山などなど、すでに交通規制は各地であります。
しかしそれがもう一歩踏み込まれるのは、もはや時間の問題でしょう。
すでに交通規制だけでは限界が見えています。
必ず入山者そのものの実数を規制するようになります。
それが笑い話に終わらず現実になる日は意外に近いかも知れません。
その先陣を切った先の交通規制は年々強化されつつあり、本格的な入山料徴収が始まるのも時間の問題でしょう。
山用の鑑札が出来たりします。
魚釣りの鑑札みたいなものです。
更に、一部の山岳では全面入山禁止となる日も近いでしょう。

あるいは、山に登るのに資格制になったりします。
「特級」は世界の山どこでも季節を問わず自由。
「1級」の人は国内どこでも自由で冬山もOK。
「2級」の人は2000m峰までで冬山禁止。
「3級」の人は1000m峰まで。
なんてね。

バッカじゃないの、なんて思うでしょ。
でも、そう言う世の中に皆さんがしようとしてるんですよ。



世は百名山流行。
現在、登山者全体のおそらく9割は締めるであろう中高年登山者。
暇もあり金もありうらやましい限りなのだが、ここ10年〜15年くらいで顕著になったブームでもある。
そのブームの要因として、かの「日本百名山」やそれに類するガイドブックは外せないだろう。
健康、癒し、自然回帰、動植物、憧れ、時にはチャレンジも含めて、中高年者から注目されるに十分な魅力をそれらは持っていた。
しかし同時に、それに伴う様々な問題が今や社会問題として無視できなくなりつつある現実もある。
百名山に代表される有名山に集中する爆発的な登山者数は、先の笑い話を現実にしようとしている。
何しろ今日初めて登山用具を買った初心者が、明日には槍に登ろうとしたりする。
そこまで極端じゃなくても、「初めて登った山が白馬だった」なんて人は少なくない。
「百名山ブーム=中高年登山者=観光客」と捉え悪のりした自治体も、やがてしっぺ返しを喰うのは目前である。

当たり前だが百名山は百座しかない。
それが有史以来初めての、それも加速度的と思える程の登山者がその百座に集中していくのである。
出掛けるという行為ではもっとも困難かと思われる利尻山や宮之浦岳でさえ、最近は明らかにオーバーユースによる弊害が方々で叫ばれている。
別に山が悪い訳じゃない。
深田久弥氏が悪い訳でもない。
ただ、「商売になる!」と踏んだ奴らに責任の一旦はある!



あなたに問います。
* りんごの芯やミカンの皮、果ては残飯まで「自然に戻るから!?」と、その辺に放り投げて捨ててきたことはありませんか? またはそう思っていませんでしたか?
* あたり一面咲き乱れる高山植物の中に入って写真を撮ったり、これだけあれば1本や2本摘んだって・・・・などと思っていませんか?
* 生理現象だから仕方ないと、周りの状況や場所を考えずすませちゃったことはありませんか?
* 一般道で30分以上道に迷ったことはありませんか?
* 上り優先で下りは待つべきなどと思っていませんか?
* 挨拶は大事でしょうが、こちらは50人、相手は1人、この状況でどう考えますか?

これらのことに明確に答えられなければ、次の百名山はどこにしようか?などとはしゃぐ前に、基本の「キ」を確認しましょう。

あぁーそうそう!?、聞いてもいないのにやたら自分の百名山履歴を自慢げに話す人。
それって迷惑行為以外の何者でもありませんよ。
相手が相槌打つだけになったら、そうとう苛ついてきた証拠。
行動中の観察力や判断力の確かさと、小屋やテント場での自慢話は反比例するんですよ。
尾瀬ヶ原より至仏山 
 
関連項 : 百名山と無名山
最終更新 2008年12月15日
新規追加 2006年 8月27日
 
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