鳥 居 峠 (茂垣峠)
最終更新 2011年12月26日
 

甘楽町那須と下仁田町栗山を結ぶ、標高1080mほどの車両通行可能な甘楽町最高所&甘楽・下仁田間唯一の峠。

昔、片道3〜4時間かかった峠道(山道)は現在林道稲含高倉線が通る車道へと変わった。

甘楽側の峠道からは御荷鉾山、峠からは西上州の山々と浅間山など好展望。

 
地図 : 1/2.5万地形図 「下仁田」
 
峠道入口

峠道入口

那須集落奥で県道46号(富岡神流線)が雄川を渡る手前を右に入る。すぐ水車のある「ちぃじがき蕎麦(石垣そば)」で有名な蕎麦屋前を通り、Uターンするように急坂を上っていく。

橋を渡ればそのまま小峠へ。

写真奥は稲含山。

 
那須集落

那須集落

小峠下部から見た那須集落。

写真下部の中央を登る道が先のUターンの続き。
すぐぶつかるT字路を左折し急坂を上っていく。その後は道なりにほぼ1本道で峠道となる。

 
梅の木入集落

梅の木入集落

甘楽町最奥の集落「梅の木入」。

付近はこんにゃく畑や蕎麦畑が広がり、つづら折りの坂道から山中へと入っていく。

 
林道入口

林道入口Uターン地点

やがて駐車スペースのある林道分岐となり、ここでUターンするように右に曲がり「林道稲含高倉線」に入る。

2011年12月下旬現在、乗用車でも通行に支障ないが日陰では雪があり、スタッドレスタイヤ必須。

初日の出登山もされ特に冬季閉鎖という話しは聞かないが、特に除雪される訳じゃないので一度どか雪が降ればそれまでになると思われる。
遠方に見えるのが稲含山。
送電鉄塔付近が峠となる。

 
秋畑稲含神社秋畑稲含神社

稲含山頂東、標高約1250mの高地にある秋畑稲含神社は、一の鳥居以後けっこう急登となる山道が続く。高齢化の進む地域事情もあってか、最近神が池園地直下の林道脇に分社化?された

コンクリート舗装道はここまで。この先峠を越え高倉集落付近までダート道が続く。
 
神が池園地
神が池園地

昔「きんぎょ池」と呼ばれていた神が池。

付近は公園状に整備され休憩に最適。春には水芭蕉が咲き、秋には紅葉も見事。

 
一の鳥居登り口一の鳥居登り口

神が池より時計回りに林道をわずかで、秋畑稲含神社旧社へ続く一の鳥居への入口がある。

写真は振り返ったところで、一の鳥居はすぐ坂の上。
ここから秋畑稲含神社旧社まで40分、下仁田稲含神社や稲含山頂まで1時間ほど。

 
林道峠付近鳥居峠(茂垣峠)

甘楽側左手、下仁田側右手となる林道峠。

上っていく雪道は稲含山赤鳥居登山口まで200m程度。
 
峠の駐車スペース

広い駐車スペース

峠には車20台程度の駐車スペースあり。

展望はご覧のように西上州の山々から浅間山までが一望。
左奥に平らな山頂高原を持つ荒船山が見えている。

 
稲含山登山口稲含山登山口

登山口となる旧鳥居峠付近。

右上の樹間に赤鳥居が見える。
無積雪期であれば一応ここまで車で上ることもできるが、峠からの道は荒れている。3台程度の駐車スペースあり。
 
稲含山北西面の紅葉

稲含山北西面の紅葉

峠より見た稲含山北西面の紅葉。

まだ黒々とした下界の山々をバックに、紅葉もこれからが盛りという雰囲気。
峠の南、写真ですぐ左上には稲含山頂が近い。

 
甘楽町方面遠望

甘楽町方面遠望

尾根筋より甘楽町方面を望む。

左上の遠景が小幡付近、右側に那須集落が見える。杉植林の中をうねうね登ってくる道が峠へ続く今回の林道。
遠景右の鞍部は焙烙峠。その左は熊倉山。

 
旧鳥居峠付近

旧鳥居峠付近

林道開通後忘れ去られてしまったが、こちらが旧鳥居峠付近。

先の稲含山登山口赤鳥居からわずかに下った小鞍部付近。雰囲気良い雑木林に心やすらぐ。

 
峠道はほぼ一本道で、途中数カ所の分岐はあるが道なりに進めば間違うことはないだろう。県道より林道稲含高倉線入口まで約4km。林道に入ってからは約3kmで峠に着く。下仁田側は峠より最初の人家がある茂垣まで3kmちょっと、下仁田の県道までは11kmほどとなり総延長約18km。
道はその18km間終始狭く、一部車のすれ違いに苦労する個所もある。特に林道部より甘楽側・下仁田側とも集落付近の舗装道の方が狭い。ブラインドや180度カーブが多いため対向車には十分注意しよう。

尚、雪の見える冬季の写真3枚は2011年12月下旬現在のものです。
 

こぼれ話

鳥居峠から30〜40分ほどの稲含山は西上州の入口にある門番的山であり、山頂付近に農耕の神を祭る二つの神社を持つ。古くから甘楽・下仁田の双方から参拝登山も盛んで、特に毎年5月3日の例大祭はにぎわう。

昔の車道は甘楽側で最後の人家がある梅の木入までで、その後は山道を歩いて鳥居峠や稲含山までほぼ一日かけた登山であった。途中桜並木やきんぎょ池(現在の神が池)などもありけっこう楽しい山歩きであったが、現在はまったくの廃道となり面影を探すのも困難になりつつある。

その旧鳥居峠は現在の稲含山登山口赤鳥居(大鳥居)直下で、茂垣集落からまっすぐ沢沿いに詰めた付近となる。下仁田側から稲含山へ登る要所であり、古い登山ガイドには赤鳥居と共によく写真が出ていた。現在、送電線鉄塔など近くを通り、旧峠そのものの面影は無くなってしまい残念。反面、稲含山登山道は以前あった死亡事故後過剰なほど整備され、ハイキング気分で簡単に登れる山となった。
残念ながら筆者の手元に残る当時の写真は登山記念のスナップ写真ばかりで、旧峠道や峠の様子は記憶に残るのみとなってしまった。

 
鳥居峠と茂垣峠 111226

最近、下仁田側の地元栗山集落名または(下仁田?)稲含神社名で、峠名を正しくは「茂垣峠」と訂正されたしとの標示が各所に掲示されています。しかし、永く鳥居峠で通ってきた経緯に説明なく、少なくても昭和40年代から鳥居峠として見聞きしてる者としては何を今更と思わざるを得ません。その筆者も甘楽・下仁田両者の話しを聞いてる訳ではなく、同じ峠のあっちとこっちで呼び名が違ってたり、地図上の峠名が地元では違ってたりすることは時々見受けられること。先の両者が並記された統一見解とあれば納得もできるのでしょうが、今のところ一方の署名だけで状況説明なく「誤りです」とだけ、やや唐突な感も否めません。したがって本項では当面従来名と共に並記して記しておきます。
尚、筆者の感想であり特段の意図はありませんので誤解なきように、念のため。
 
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