裏妙義/北烏帽子沢遡行

R18碓氷バイパスを下ってくると烏帽子岩周辺の岩峰群が、ひときわ山好きの目を引くことだろう。

北烏帽子沢はその岩峰群に駆け上がる沢で、核心部はその上部岩峰群周辺となる。

実際は期待ほどの滝はないのだが、反面急峻なルンゼの登行が主となる。

ルート・ファインディングを誤ると立ち往生するので、下降用のザイルは必須。

 

グレード : 5  判断基準

ルート : 出合い(入山)→二俣→トヨ状ルンゼ→縦走路→三方境→入山

総歩行時間(休憩含まず) : 日帰り装備+登攀具にて 登り2時間〜3時間程度。下山1時間

登山適期 : 10月〜11月下旬 及び 4月下旬〜5月(6月以降の夏期はヤマヒルの被害に注意)

地形図 : 南軽井沢

駐車場所 : 出合い前のドライブインに置かせてもらうか、すぐ先のコンビニに駐車となる。

 

ガ イ ド (90年11月現在)

1.橋がないため最初から入山川を渡らなければならない。飛び石伝いに渡るか、少し下流の浅瀬を利用する。

2.川床からいきなり立ち上がる滝(6m)は、シャワー・クライムとなる。先の浅瀬の方から大きく迂回して沢に入ることも出来るが、ホールドは豊富で見た目ほどの困難はない。

3.長いゴーロを30分近く歩きこのまま終わってしまうのかと思う頃、顕著な二俣に出る。右俣の滑滝を越え次の二俣も右に入るが、その後すぐ小さな二俣を左にはいる。

4.両岸とも大岩壁が迫り、ルンゼ状になった沢は滑りやすい。左からトヨ状のルンゼが水を落とし、薄暗い正面のルンゼには大きなチョックストーンが行く手を塞いでいる。

5.見えるのは目の前の岩壁と空ばかりで、この付近はルート取りが極めて難しい。いくつもの大岩壁の間に挟まれて、どう登ったらいいのか悩んでしまいそうである。目指すべきは先のトヨ状ルンゼで、その上部に出るようルートをとるのが正しい。

6.私はいったん少し下って左から支稜越しに強引にルンゼ上部に出るようにした。下降部の判断が難しいが、丈夫な立木が多いためホールドには困らない。

7.上部のルンゼは土がつまるようになり、灌木につかまりながらの急登わずかでひょっこり稜線上に飛び出す。

8.出たところはそのまま縦走路で、烏帽子岩のすぐ北側である。

9.下山は縦走路で烏帽子岩を巻き、三方境から一般道を下ればよい。

追記 : 烏帽子岩東面(仲木川側)は烏帽子沢の右俣・左俣がくい込んでいる。両沢とも下降には適さないが、5m〜10数mの多くの滝を抱えており、大変楽しい沢登りが味わえる。赤岩沢を含めいずれも短いので、籠沢の木戸付近を起点に連続登攀が可能である。

 

  
左) 北烏帽子沢下流部  木漏れ日の中、下流部は趣バッチシの長いゴーロが続く
中) F1  いい加減ゴーロに飽きた頃登場。濡れてるが右岸から直登OK。
右) 釜の滝  イワナでもいるかな?泳がなくても通過には問題ない。

  
左) 二俣の滝  そろそろ傾斜がきつくなってきた。
中) 上流の滝上より  この辺からが核心部。左岸には圧倒的な岩壁がそびえてくる。
右) 本流のトヨ状滝  上流のルンゼをつめるとチョックストーンで通せんぼ。実は手前右岸のトヨ状ルンゼが本流でした。 

 
左) 上流のルンゼより  ふと振り返るといつの間にか付近の山々と同じ高さに。
右) 縦走路より見晴らし尾根  ひょっこり飛び出した縦走路は烏帽子岩と七人星の間。木の間越しに展望もまずまず。

 

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