西上州の山
 
 
一人静かな山旅。日曜・祭日でも人に会うことは希なほど。西上州の山はそんな山々でした。
 
しかし最近は春・秋のシーズンともなると、その静かな山域も多くの登山者を抱えます。筆者にとって西上州の山々を紹介することは、矛盾を含む行為でもあるのです。
 
筆者紹介のバリエーションが、不必要な標識類やマーキング乱舞とならないよう切に願います。
こちら参照
 
この項で紹介する山々やルートはガイドブック等にもほとんど記載がなく、多くは筆者アップ時点でWeb初出ルートであり一般登山者からは縁遠いバリエーションばかりです。まともな登山道や標識は無いに等しく、多くのルートでシビアなルートファインディングを要求します。時には岩登り・沢登り経験も必要とし、人に会うことも一部を除き希と言っていいでしょう。この項ではしっかり地図が読め、時にはビバークもいとわない、そんな経験豊富な登山者のみを対象とします。
致命的かどうかはともかく、道を間違えやすいと言う意味では他の高山帯山岳より遙かに難しい山域であると心してください。
 
里に近い低山とはいえヤブや岩に慣れてない方、初心者による安易な単独行は絶対にさけて下さい。最近のこの山域は県内でも谷川岳と並び死亡遭難事故が多い山域なのです。
特に妙義山周辺ではどう贔屓目に見ても無謀と思われる登山者の遭難が相次いでいます。標高が低いから、眼下に人家が見えるからと軽く考えないで下さい。
 
その他共通のワンポイントとして
1. 登山適期として夏は避けた方がいいでしょう。場所により激しいヤブやマムシ、ヤマヒル、ハチ、熊などの被害に遭う可能性があります。
特に最近、四季に関係なく熊出没の話を多く聞くようになりました。度々見る糞や足跡だけでなく、至近距離で熊とのお見合いも経験しています。 前述のようにここで紹介するルートはいずれも一般的ではなく、「熊よけ鈴」等鳴り物の用意は必須とお考え下さい。

尚、紹介文で「熊出没注意!」のコメントあるルートは、いずれも糞・爪痕・足跡等を発見しています。


熊の爪痕1 熊の爪痕2 熊の爪痕3

 ↑稲含山中の熊と思われる爪跡⇒右写真の半分朽ちた大木に付けられたもの。
 中央写真は左写真の上側囲み部アップ。
 どうやら根本のシロアリ目当てに引っ掻いた爪痕らしい。登山道からはおよそ30mくらい。
2. 時期やルートによっては膝や腰まで埋まるほどの落ち葉に道が消えることがあります。獣道や山仕事の作業道も多く交錯し、夏山でなくとも見通しの利きづらい山々がほとんどです。紹介記事中のマーキング類も登山時のものとなりリアルタイムの状況は分かりません。ルートファインディングには細心の注意を願います。
3. 山名、地名等固有名詞は昭文社「山と高原地図」、または国土地理院「地理院地図」を参考としています。
但し、一部現地調査により判明した名前、古地図による名前、筆者の判断による呼び名を記述している箇所もあります。
4. 地図は国土地理院「地理院地図」を参照しています。
5. 西上州は交通機関が不便なため、ほとんどの登山口までマイカー又はタクシーが足となります。
6. すべてのルートとも軽登山靴で問題ありません。但し、沢ルート・岩峰ルートについては岩場にも適応出来る靴が必須です。
また、西上州の沢はいずれも流域面積が狭く水量も少なめです。鏑川、神流川、碓氷川などの本流を辿るのでもなければ沢ルートでも靴を脱ぐことは希で、わらじや沢遡行用の専用靴もほとんど必要ありません。
7. ガイド中の時間はすべて、適当に写真など撮りながらの単独による歩行時間のみ表示しています。
天候、人数、ミスルートの可能性、確保を行う場合等、時間読みをお間違いなく。
8. 山頂付近、稜線付近ならば携帯電話の使用可能個所はそれなりにあります。
最近は各社改善されドコモは比較的よく通じるようですが、他はやや通じにくい傾向が残っており注意が必要です。
 
一般名称の無い、あるいは不明な尾根や稜を呼ぶ時、筆者には一応のルールがあります。それは「対象となる山頂付近から見て、東西南北八方向を基準にどちらに延びてるか方向を示す」というのが基本です。また稜線途中または最後に明確な固有名詞を持つ頂や岩等ある場合、その名詞を含めて呼ぶこともあります。
具体的には「西稜」「北西稜」「南西稜」「西南稜」などと呼びますが、
「西稜」は山頂付近からほぼ西に向かって延び「北西稜」は北西へ、「南西稜」は南西に向かって延びる一義的で顕著な稜線と言えます。対して、西稜の途中からへ延びる二義的線を表すため「西南稜」などと呼称する場合が出てくることになります。

八方位では北西・北東、南西・南東のように北か南が頭言葉となった呼び方が正しく(普通で)、本来西北、西南などという用語は使いません。したがって上述の「西南稜」の場合繰り返しになりますが、西稜途中からに枝分かれする線であると言う意をご理解下さい。
更に細かく十六方位では西北西・西南西などと北や南が頭に来ない方位もありますが、筆者はそこまで細かくは分類せずあくまで八方位の範囲内で呼称するようにしています。

ついでに、
「○○尾根」呼びは規模として長大、または比較的高さ変化の少ないところを呼ぶ事が多く、「○○稜」は小規模ながら高さ変化が激しい、または岩稜に代表されるよう厳しい要素を含む場合に呼ぶ事が多くなります。

また、稜線中の標高点も名も無いピークは先端からP1、P2、P3、、、、
沢では下流から一の沢、二の沢、三の沢、、、、となり、合流する沢が共に顕著な場合「二俣」ところによって「三俣」等となります。
尚、稜線の小さなコブや同じく小さな涸れ沢等は通常その数に入れません。

上述内容が一般的に通じるかどうかは置いといて、更に個々には多少の矛盾があるかも知れないことも含め、あくまで筆者の個人的判断による呼び方であることをご理解ください。
 
 
上野村2019年台風19号被害 (2022年9月下旬現在)

御巣鷹の尾根登山口への道路
19年10月12日の台風19号豪雨により大きな被害を受けましたが、22年9月下旬現在下記のように元通り修復され通行可能です。
尚、ダム湖上部〜登山口駐車場間の1車線路は大小の落石ゴロゴロ、一部未修復部もありますのでご注意ください。
 

19年10月下旬
崩落地点地理院地図へのリンク↓
https://maps.gsi.go.jp/#15/36.060583/138.709688/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
 
21年5月上旬現在崩落部修復状況
21年5月上旬
 

22年9月下旬現在  元通り修復され通行に支障ありません
 

 
ぶどう峠崩壊地
 

19年10月下旬
崩壊地点地理院地図へのリンク↓
https://maps.gsi.go.jp/#15/36.066758/138.669176/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
 

22年9月下旬現在  元通り修復され通行に支障ありません。但し、右写真左下路面には早くも亀裂が・・・
 
上野村から佐久方面への車道は22年9月下旬現在、十石峠(R299)、林道矢弓沢線、ぶどう峠のすべて通行可能となりました。
 
林道上野大滝線
 

22年9月下旬現在/社壇の乗越より乙父側へ700m付近  現在も全崩落のままですが、修復作業は始まってるようです。
 

 
南牧村2019年台風19号被害(2022年9月下旬現在)
 
大上峠方面
22年9月下旬現在未確認。
R299側からの入口、古谷ダム直近の土石流現場は修復されていました。
 
田口峠方面
22年9月下旬現在未確認。
 

 
御荷鉾林道情報(2022年5月下旬現在)

御荷鉾林道(藤岡市〜南牧村まで全線の統一名称として使用しています)は通行不能だった下記個所も修復工事が終了し通行可能です。

但し、三輪以上では乗り越えられない大小落石多数、落下枯れ枝多数により、二輪は安全走行するとしても三輪以上は注意が必要です。また特に大仁田ダム以西では路面のコケにご注意ください。

八倉峠〜白髪岩登山口までのダートも一般的には悪路と表現されるレベルの未整備状態です。
途中下仁田への下降路(七久保橋倉林道)はおよそ3年ぶりに通行可能となりました。こちらも落石や落下枯れ枝に注意。

尚、塩沢峠以東の舗装路は未確認。
 
 
砥沢分岐〜大仁田ダム間の路面崩壊修復工事現場
 
 
烏帽子岳登山口〜郡界尾根峠間の土砂流出修復工事現場

 

(注記)
本項紹介ルートまたは付属説明中のガイド・追加情報・写真等は各々に示す登山日時、更新日時によるものです。リアルタイムの状況は常に変化しており、現場での判断はご自身による自己責任とし当方は一切関知いたしません。

 

西上州の山全般の天候・交通・装備など、詳細紹介は↓下のコラムをご覧ください。
コラム 「人の耳に念仏−31.西上州の山」

 

グレード表記 判断基準 : ルート中の最難関個所を表します
ハイキングレベルです。特別な危険なく老若男女、家族で安心して楽しめます。
普通の山登りです。道はしっかりしており、荒天や夜間でもなければ普通は迷うことはないでしょう。簡単な岩場を越えるため補助的に手を掛ける程度の場面はあります。
道は概ねしっかりしていますが手ではらう程度のヤブや、比較的優しい鎖場、岩場を含みます。それなりのルートファインディングが必要な場合を含みます。裏妙義縦走ルートレベルです。
長い垂直の鎖場を含みます。ある水準以上のルートファインディングが必要で、一般的には中〜上級者向けと言われるレベルです。登攀用具等必須ではありませんが用意した方がベター。表妙義縦走ルートレベルです。
尚、基本的に道の無い山、及びバリエーションはこのグレード3以上としています。
概ね60〜70度程度までのフリークライミングや、懸垂下降など簡単なザイルワークを含みます。登行にはルートファインディングが必須です。西上州の山に慣れた上級者向け。
垂直(感覚的に)のフリークライミングやザイルワーク必須です。厳しい高度感やシビアなルートファインディングを含む熟達者向け。
グレード5を越える困難且つ危険な岩場やルートファインディングを含みます。一般に単独では困難と判断されるレベルです。荒天、ビバーク等あらゆる場面に対応出来る装備と技術を必須とします。
注記)
グレード表記は各ページ中の推奨登山適期内とし、実際の登山日または更新情報に基づく個人的見解です。単独、降雨無し且つ岩場など乾いている状態の見解であり、天候、行動時間、同行者の有無等は考慮していません。
総合的な困難度がそれほど高くないルートでも、生命に直結するような危険個所があるルートはグレードも上がっています。また、筆者以外の続報がある場合、確認した範囲でそれらも考慮しています。

 

ルート 概  略
44.田口峠より霊仙峰周回
追加
日本列島の陸地で海に接することなくもっとも大きな円を描いた時、地理院地図に名のある山としてその中心に一番近い山が霊仙峰です。言い方を変えると海からもっとも離れた内陸の山と言うことで、北海道の山じゃないんだと言うのがちょっと意外ですよね。
昔は深い笹藪の密林で簡単には登れない山でしたが、現在は笹藪もなく登山可能となりました。
熊出没注意!! 山頂でドコモ携帯使用不能
43.落沢岳縦走
追加
鹿岳から北東に派生し大桑原集落前まで弧を描く尾根の中程に位置する山です。地図上では山名も三角点もなく尾根上の一峰というだけですが、この尾根の主峰となる山には違いありません。標高800m足らずながらほぼ360度の展望が良く、下仁田町から真西に見える三角錐の山と言えばすぐ目に留まります。登山道はありませんが尾根上はそれなりの踏み跡があります。
熊出没注意!! 山頂でドコモ携帯使用可能
42.千駄木山南稜縦走 
更新
旧妙義荒船スーパー林道の走る郡界尾根中の普通の藪山です。しかし林道を挟んだ南側には険しい岩峰を連ねた南稜があり興味をそそります。しかし開通後間もなく各所の土砂崩れによりたびたび通行止めとなり、荒れ果てた現在の林道はすでに30〜40年通行不能状態です。
ってことで、現在どうなっているのか超久しぶりに縦走を行いましたのでご紹介致します。
熊出没注意!! 山頂でドコモ携帯使用可能
41.中止の滝より諏訪山 2 秘境の山として天下に名高い?300名山諏訪山へ、中止の滝より直登し南西稜を下るその2。
今回は時計回りに二つの稜線を結ぶ周回ルートです。目立つ危険は無く、おそらく諏訪山へ登る最短ルートとなるでしょう。但し、山頂と中止の滝付近を除きマーキングや道標類は一切なく、相応のルートファインディングは必須です。西上州と藪岩に慣れた中〜上級者向けです。
熊出没注意!! 山頂でドコモ携帯使用可能
40.牧場尾根中西部縦走  牧場尾根踏破3回目。今回は R254 沿い「中丸集落」より北西に延びる中丸林道から付近の最高峰1020m峰を目指し、前回の名称不明の峠まで縦走します。岩峰・岩稜や危険個所多数な東部と違い、西部は概ね大きな危険無く安心して歩けます。とは言え、一切の道標類等無く、地図読みからのルートファインディングは必須。西上州と藪岩に慣れた中〜上級者向けです。
熊出没注意!! 稜線では概ねドコモ携帯使用可能
39.牧場尾根中東部縦走  清水沢百庚申から清水沢を遡行し、前回中断した送電線鉄塔から大岩方面への尾根を名称不明の峠まで縦走。途中東側からの860m東峰は藪岩クライミングの領域となり岩経験必須。
1000m足らずと標高こそ低いものの、ルートファインディングは上級レベル。危険個所もあり、その成否によっては思わぬ危険を伴う可能性も高い。一部高所恐怖症や中高年の方にも厳しそうで、西上州と藪岩に慣れた熟達者向け。
熊出没注意!! ザイル装備推奨 稜線では概ねドコモ携帯使用可能
38.牧場尾根東部縦走  千ヶ平登山の帰り道、道平川ダムから見る岩峰の連なりに「なんだあの尾根?」っと、思ってから早20年。やっと実行出来たものの時間切れにより予定の半分。それでも変化に富み展望満喫の山行に満足。
1000m足らずと標高こそ低いもののルートファインディングは上級レベル。危険個所も各所にあり、その成否によっては思わぬ危険を伴う可能性も高い。高所恐怖症や中高年の方にも厳しそうで、西上州と藪岩に慣れた熟達者向け。
熊出没注意!! 稜線では概ねドコモ携帯使用可能
37.中止の滝より諏訪山   秘境の山として天下に名高い?(一応300名山だし)諏訪山へ、中止の滝より直登し南西稜を下る。
中止の滝以降の沢は・・・ 南西稜・・・ 共に道はなく獣道が・・・ まあ沢筋・尾根筋外さなけりゃ・・・
それでもグレード5と高いのは、中止の滝落口へ非常に危険なトラバースがあるためです。ザイルワーク含むならグレード4。ルートファインディング含めトラバースを除くルート全体は3レベル。
熊出没注意!! ザイル装備推奨  山頂でドコモ携帯使用可能
36.日景長戸岩 西上州でも県境稜線の山々と共に最奥に位置する道の無い山「日景長戸岩(ひかげながといわ)」へ登る。
マイナーな山岳です。まず人に会うことはありません。その分自己責任とマイナー故のマナーの遵守をお願い致します。先行者による古いテープは時々ありますが、ルートファインディング必須です。
お節介な説明文は必要最小限な範囲と致します。自己責任であるとご了承ください。
熊出没注意!! ドコモ携帯圏外
35.雄川源流より大猿山周回 西上州の山の玄関とも言われる稲含山に駆け上がる雄川を遡行し、甘楽・藤岡境界から大猿山を経て雄川に戻る周回ルートです。一般には知られていない藪沢・藪山を満喫するルート。
15年11月下旬現在のルートですがご紹介時機を逸してしまい(実は他にも数々)、春先の新緑の中ならよりいっそう魅力的かと遅ればせながら取り上げました。
熊出没注意!!
34.西上州最高峰
高天原山より旧三国峠道
西上州山域の最高峰として一般には御座山が上げられます。しかし、御座山は県境から西に離れた南佐久の山でもあり、群馬県に掛かるという意味での最高峰はこちら高天原山(別名多数)となります。
今回はその高天原山を含む上信県境稜線に御巣鷹の尾根から登り、三国山経由で旧三国峠道を下る周回ルートを歩いてみました。西上州最奥の山々となり、静かな登山を満喫できます。
熊出没注意!!
33.木々岩峠道より
仏岩山周回
R254沿いの下仁田町西牧(さいもく)と南牧村を結ぶいくつかの峠の内、現在唯一地形図にその名を残す木々岩峠へ廃道となった馬居沢側から訪ね仏岩山を周回する。
付近の山岳でも仏岩山は空白域の一つと言え、山頂からの展望良く、ヤブもなく、人の気配も少なく、特に天気の良い晩秋から冬期にかけては良い登山となることだろう。
32.西上州最西端の山
鉄平石山
群馬県の北部、西部県境は太平洋側と日本海側を分かつ分水嶺となっているが、目立つ部分で3カ所、稜線から大きく離れる部分がある。尾瀬と野反湖と、ここ「西上州の角」部分である。
その中でももっともマイナーであろう西上州。ルートはそれなりのヤブ道には違いないものの、なんてたって県境でもあり地図を片手にヤブ慣れ前提として経験者なら問題ない。ヤブ派御用達!
熊出没注意!!
31.妙義山
金鶏の風穴と大黒道
妙義三山の一つ金鶏山には「金鶏の風穴」と「大黒の滝」がある。
共に戦前まで登山道はあったものの、当時の絵葉書等には大黒の滝が希に見られるくらい。金鶏の風穴に至ってはまったく存在を確認できない。しかし、古絵図等には記入ある絵図も存在し、戦後はまったく忘れ去られてしまった。
実は風穴については各所から見えるのだが、どうやら意外と気づかれてない?
30.旧中山道碓氷峠
もみじ道と旧中尾山
旧中山道の難所碓氷峠は現在、良く整備された峠道としてハイカーにも歴史散策でも良く知られています。
しかし横川〜軽井沢間の鉄道が廃線となり、上ったはいいけど帰りはどうしようと迷うところ。ってことで、下降路として理想的な状態の雑木林が往時を忍ばせるもみじ道を紹介。
一般でも大丈夫と思うけど、まったく整備されてない廃道でもあり山慣れした人向け。
熊出没注意!!
29.裏妙義
釜ヶ沢より御殿の風穴
裏妙義の玄関口、木戸の双璧として既紹介の鶴峯山と対峙する見晴らし尾根に「御殿」がある。
御殿全体は麓からの直登を許さない複雑怪奇な岩稜に囲まれるが、その一つに風穴があることを知る人は少ない。その風穴に妙義湖畔から駆け上がる釜ヶ沢出合より目指す。
高度なヤブルートファインディング必須の熟達者のみに許されたルート。岩経験者向け。
28.郡界尾根
旧塩之沢峠〜天狗岩を歩く
 
西上州甘楽・多野郡界尾根の旧塩之沢峠から天狗岩まで歩いてみました。
後半は特にツツジの名所でもあり、期待通りの紅葉と展望に思わぬ峠の発見もあり、充実した登山となりました。多少のヤブと一部ルートファインディングを要しますが大きく尾根を外すことはなく、変化に富む尾根筋を楽しく縦走できます。
27.裏妙義
西大星北西稜
既紹介の北稜と共に西大星へ駆け上がるもう一つの顕著な岩稜、北西稜を訪ねる。
本項の趣旨「単独で楽しめる範囲」を超えており、一般に単独では困難と思われる。岩稜中をピークハントしルートファインディングしていく困難度は、明らかに相馬岳北稜や星穴岳を越えるレベル。
探した範囲では他に記録が見つからず、個人的記録として画像のみ参考紹介。
26.妙義山
金鶏山縦走
表妙義の南東に張り出す金鶏山は、落石の危険から原則登山禁止となっている。
そのような理由で紹介は控えてきたが、現実には登山者がいることも事実。ならば危険個所の周知を計る方が建設的と判断し、自己責任を伴うと注記し紹介することとした。
妙義の岩とヤブに慣れた熟達者向け。筆頭岩は鎖もありフリーで登れるが、ザイル装備必須。
25.裏妙義
御岳東稜を登り失われた直登ルートを下降
裏妙義主稜線上の御岳へ東稜から登り、失われた直登ルートを下降するバリエーション。
東稜は中間部に険しい岩壁帯を持ち、熟達者向けの完全なバリエーション。下降は失われた中木からの御岳直登ルートを下降する。
妙義の岩とヤブに慣れた物好き&熟達者向け。ザイル必須。熊出没注意!!
24.裏妙義
西大星北稜
裏妙義西大星から派生し岩稜が連続した北稜を訪ねる。
鍵沢左岸のこの道の無い尾根に、岩稜とヤブを越えての登行となる。まったくのバリエーションだが、期待に違わぬ岩と展望にヤブ派マニアには満足いくものとなるだろう。
妙義の岩とヤブに慣れた物好き&熟達者向け。鍵沢への下降に補助ザイル必須。熊出没注意!!
2010年9月5日/鍵沢ルートで登山者が熊に襲われ怪我
23.裏妙義
鶴峯山/失われた直登ルート2
裏妙義風穴尾根先端に位置する岩峰「鶴峯山」に国民宿舎から直登する。
以前の昭文社「山と高原地図」に国民宿舎からこの岩峰を経由し、風穴尾根の頭に至るルートが記入されていた。前後の同社地図には記入が無く、経緯は不明。
妙義に慣れた熟達者向け。ザイル装備が望ましい。
22.裏妙義
谷急山/失われた直登ルート
 
妙義山塊最高峰谷急山へ、失われた並木沢からの直登ルートを訪ねる。
30〜40年ほど前まで存在していたルートで、当時より上級者向けと言われていた。まったく廃道となった現在ヤブを分けての登行となり、登行時現在マーク類は一切無い。
妙義に慣れた熟達者向け。熊出没注意!!
21.群馬県最南端の山
三国山
埼玉県秩父と長野県佐久(川上)を結ぶ中津川林道三国峠からわずか往復30分余り。
登山というよりハイキングだが、標高もあり奥秩父の山々を間近に望める好展望がウリ。西上州そして県内最南端の山として紹介しよう。稜線に出る時と、簡単な岩場にちょっと手を使う程度。
ルート的にはハイキングレベル。
20.御荷鉾スーパー林道より白髪岩 御荷鉾スーパー林道より下仁田町最高峰白髪岩を訪ねる。
早ければ往復1時間あまりの短時間ルートだが、笹を分けて進む。紹介時はその状況から熟達者向けとしていたが、現在は赤や黄のテープが目立ちルートを外さなければ一般向け。
熊目撃注意!! 
19.裏妙義
谷急山/仏沢遡行
並木沢と裏谷急沢に挟まれた急沢を遡行し谷急山を目指す。
仏沢はゴーロと滝群が交互に現れ、要所要所に赤ペンキや赤テープの目印がある。とは言え、妙義の沢中でも比較的マイナーな沢で、静かな沢登りが楽しめることうけあい。
妙義に慣れた塾達者向け。大滝を登る場合単独では困難!ザイル・登攀用具必須。
18.裏妙義
女道(谷急沢)より大烏帽子とジャンクション岩峰
旧碓氷峠の間道「女道」より谷急沢を遡行し、妙義山塊最奥の忘れられた山々を訪ねる。
谷急沢は上部で大黒乗越沢となり、源流付近では6〜7カ所の滝を越えなければならない。大烏帽子からの展望はないが、J岩峰からは360度の大展望を満喫。
西上州の山に慣れた熟達者向け。熊出没注意!! 
17.妙義山
富士稜縦走
表妙義の最高峰、白雲山相馬岳から派生する相馬岳北稜の支稜「富士稜」を踏破する。
妙義富士と続くP2間は緊張感たっぷりの岩稜万歩。後半は灌木を漕いでの細い踏跡(獣道?)探しとなる。反面、若葉と紅葉の頃は360度の絶景を堪能出来ることだろう。
単独で使うかどうかはともかく、ザイル必須の熟達者向け。強風時は不可!熊出没注意!! 
16.南牧村最高峰
余地峠より広小屋山
南牧村最高峰「広小屋山」へ余地峠から失われた県境尾根ルートを訪ねる。
廃道と化した道は一部ルートファインディングが難しく、ヤブや笹を分けての登行が続く。余地峠付近では熊とも接近遭遇。鈴などの鳴り物は必須。
西上州の山に慣れた熟達者向け。熊目撃注意!! 
15.千が平(千ヶ平) 西上州空白域の一つ荒船山と物語山のちょうど中間に位置する展望の山。
山頂より正面直近に見る荒船山の展望は格別。下仁田町南野牧三ツ瀬から林道経由で登る最短ルートを紹介。
多少のヤブは苦にしない人向け。熊出没注意!! 
14.下仁田町最高峰
白髪岩
前項ルートから更に足を延ばし、下仁田町最高峰でもある白髪岩を訪ねる。
東西に長い山頂は展望不良。但し、西峰より10m程下れば日当たりの良い岩場が。ここからは御座山や八ヶ岳を正面に、両神から浅間まで南面を中心に展望可。一部迷いやすく要注意。
中級者以上向け。熊目撃注意!!
13.甘楽町最高峰
稲含山よりジャンクションピーク(羽毛山?)
西上州入門山岳として登山口より往復2時間足らずの稲含山。
でも、それではちょっと消化不良かな?、という方に贈るバリエーション・ルート。道は細く笹原に消え入りそうな場所もある。グレードは低いが決して一般向けとは言えないので念のため。
熊出没注意!! 
12.妙義山
妙義富士とP2

新ページ全面差し替え
昭和初期まで登山道があったという妙義富士を紹介。
大沢と小竹沢を分ける富士稜先端に位置し、標高わずか800m余りながら全方向に足下から切れ落ちる。山頂の高度感は筆者が知る限り西上州随一。この岩峰に往時の道から訪ねる。
単独で使うかどうかはともかく、ザイル必須の熟達者向け。強風時は不可!
11.妙義山
小竹沢からつづみ岩
(相馬岳北稜 P12)
表妙義北東面に大沢と並んでくい込む小竹沢(小竹川)を遡行する。
地形図で見る小竹沢は何の変哲もないが、中流域には妙義山塊最大規模の連続滝を有する。下降は大沢又は相馬沢を利用する。つづみ岩では柏手を打つことを忘れずに!
ザイル必須の熟達者向け。下降はザイル無しには不可能。熊出没注意!! 
10.妙義山
大沢から相馬岳北稜

新ページ全面差し替え
廃道となって久しい大沢旧登山道を辿り、変化に富む相馬岳北稜上部から相馬沢へ下降する。
大沢・相馬岳北稜共ルートファインディングを要し、ヤブ慣れた塾達者の領域。北稜からの下降は大沢へ戻るか相馬沢を下降する。小竹沢下降は不可!
相馬沢下降は5mのチョックストーン滝を下るためにザイル必須。熊出没注意!! 
9.二子岩(双子岩)とククリ岩 南牧村の名峰大岩・碧岩の南にそびえる秀峰へ、居合沢を遡行するルートを紹介。
シーズンには賑わう大岩・碧岩と比べこちらはほとんど人の気配なし。ククリ岩ともなれば年間何人が登ることやら?。猛烈な笹ヤブ覚悟の手強いルート。
西上州の山に慣れた熟達者向け。熊出没注意!! 
8.山急山
新ページ全面差し替え
横川付近のR18や上信越道下り線から正面に見える岩山。
R18&上信越道を挟んで妙義山塊最高峰谷急山の真北にあり、山急山とは言い得て妙。林道終点の送電線鉄塔下から登り、五輪岩に寄り道した後山頂を周回して来る。3時間前後で回って来られるが、やや複雑なルートと岩場の残置ロープ多数。ミスルートのマーキングも多く、以前よりルートファインディングは難しくなった。
7.大ナゲシから天丸山 両神山へ連なる県界尾根を辿るバリエーション・ルート。
健脚者による日帰り踏破も可能だが、一般にはルート中の足下状況が分からず、ヤブこぎともなれば時間の予測は不可能。本項ではテント泊による1泊2日の縦走ルートとした。
西上州の山に慣れた上級者向け。熊出没注意!! 
6.三ッ岩岳より大津 三ッ岩岳南西稜から大津へのバリエーションルート。
西上州の知られざる岩峰の代表格大津は地図上の表記も三角点もない。ここでは三ッ岩岳から大津へ一部ヤブ尾根を含むバリエーションルートを紹介。
多少のヤブは苦にしない西上州の山に慣れた人向け。
5.天狗岩から烏帽子岳 烏帽子岳から天狗岩に連なる、岩稜の郡界尾根を辿るバリエーション・ルート。
当方紹介後、山と渓谷社アルペンガイド等多くの関連書で本ルートが紹介され整備された。詳しくはそちらも参照のこと。
大仁田ダム側からのシボツ沢ルートが復活し、今後荒れる可能性もある。
4.大山
(松井田町)
上信越道下り線軽井沢IC直後のトンネル直前に見える、左側の沢をつめた山。
軽井沢IC側から沢に入れない場合はスーパー林道からルートをとる。地図に有りながらも名も知られないヤブ山の代表格。 
3.裏妙義
北烏帽子沢遡行
烏帽子岩の北西面に登り上げ、上部に複雑な岩峰帯を持つ沢。
沢出合いは国道対岸に6m程の滝が落ちている。
この沢では上部ルンゼのルート・ファインディングが特に難しく、ミスると下降を強いられビレーポイントを常に念頭に。
ザイル・登攀用具必須の熟達者向け。 
2.裏妙義
谷急山/裏谷急沢遡行
谷急山西面の水平距離約1000mの間に500m登る急沢。冬季はアイスクライムでも名高い。
シャワークライムはなく沢登りと言うより岩登りに近い。柱状節理の美しい滝や上部の長大なスラブ状ルンゼなど変化に富む。特にルートファインディングに注意を要する個所多数。
ザイル・登攀用具必須の熟達者向け。 
1.裏妙義
谷急山/並木沢遡行
妙義ではもっともスケールの大きな沢。
妙義の各沢は水量こそ少ないが急峻なためいずれも険しい。「大滝」「二条の滝」等確保を必要とする滝が多く、濡れてる場合は直登困難。
大滝を直登する場合単独では困難!ザイル・登攀用具必須の熟達者向け。熊出没注意!! 
 
1972年版/妙義周辺
1987年版/妙義周辺
最終更新 2024年 2月10日
初回追加 1998年 1月24日
 
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