二子岩(双子岩)とククリ岩
最終更新 2005年12月13日
碧岩山頂よりククリ岩(左)と二子岩(右)
美しい三段の滝から居合沢をつめ、この付近の最高峰ククリ岩(1355m峰)を目指す。
ククリ岩はどっちから登っても、背丈をはるかに超えるハードな笹ヤブが待っている。軍手必須。
二子岩以降の下降路は碧岩沢を含めヤブの心配はない。
尚、居合沢の遡行開始から碧岩沢で一般ルートに出るまで、標識もテープも一切無いと思ってほしい。
グレード : 4 判断基準
ルート : 登山口(三段の滝入口)→三段の滝→居合沢遡行→ククリ岩→二子岩→碧岩沢→三段の滝→登山口
総歩行時間(休憩・林道含まず) : 5〜6時間程度
登山適期 : 4月中旬〜5月中旬 及び 10月中旬〜11月
地形図 : 十石峠
駐車場所 : 登山口に新しく出来た駐車場には公衆便所等もある。
ガ イ ド (98年4月29日現在)
1.三段の滝まではハイキングルートである。居合沢に入って数百mの間は道のある右岸が急傾斜で沢幅も狭いため、大水の後は荒れ気味になりやすい。
2.三段の滝は大雪山の羽衣の滝を思わせる。大きすぎて曲がってるため全体が見渡しにくいのも同じ。新緑や紅葉の頃、水量が多いときはすばらしい。但し北西向きのため、いい写真を撮るのは難しいかも。
3.左岸から三段の滝を越え、間もなく左に大岩・碧岩ルートを見送り、廃道となった居合沢に入っていく。
4.居合沢は源流付近まで無数の滝が列をなす。踏跡は細く消え入る所もあるが、沢から離れることはない。徒渉が多いので防水性の良好な靴がほしいが、いわゆる沢登りという程のレベルではない。標高1100m付近の二つ目の顕著な二俣で左俣に入り、ククリ岩南西の鞍部を目指す。
5.源流付近は鹿の足跡の他に大型動物の足跡(たぶん熊)や、大量の糞を発見している。念のためご注意願いたい。最後は左寄りに薄い笹をこいで鞍部に出る。稜線には一応慰め程度の細い道がある。
6.ここからの稜線の道は二子岩まで本格的なヤブこぎである。まず背丈程の笹をこいで一登り。いったん平らになってから背丈をはるかに超える笹に行く手を阻まれる。四肢を総動員して、時には四つん這いになって笹のトンネルを通過する。これらトンネルは言わずと知れた熊さん御用達。間違ってもバッタリなんてならないよう、鳴り物必須。
7.やっとヤブをぬけたククリ岩山頂付近は、ヤカヤシオの密生林である。最後は立木につかまって強引に直登するか、いったん左に巻いて登り返す。
8.ククリ岩山頂は苦労して登ったわりには展望がない。有るのは三角点標柱だけ。西上州の数ある顕著なピークでも、三角点のある山頂で山名標識すらないのは珍しい部類。
9.二子岩への尾根は最初のヤセ尾根と急下降部は見通しも良く快適。但し、平らになってくると再びハードな笹ヤブがトンネルとなって待っている。その度合いは先程までの登り側より更にたちが悪い。尾根が左に直角に曲がると時々岩場の好展望地が現れ、目指す二子岩や碧岩・大岩が気分を和らげてくれる。
10.最後に鞍部のヤブをこぎ、一登りすれば二子岩の東峰である。北から東にかけての展望がいい。
11.東峰より10m程高い二子岩西峰は西側の鞍部に下り登り返す。登路は正面の岩場すぐ左の凹部を立木頼りに登るのがベターだが、一応岩登りの領域のため慎重に。又、登る時は常に下れることを確認しながら登ること。下りる際のことを考えてルートをしっかり覚えておく。岩慣れた人なら問題ないが、碧岩よりちょっと難しいかな?くらい。
12.東峰と同じく西峰にも何もない。展望も木の間越しでやや不良。山頂を通り過ぎた西面と、手前の南向きの岩場からがよい。
13.二子岩から碧岩沢への下りは、両峰の鞍部付近から大岩への尾根へ向けて、トラバースぎみに下って行く。スリップに注意しながら急斜面を下り、右にトラバースして尾根に出る。そのまま踏跡伝いに尾根を下り、やがて左の支尾根との間に広い窪地が見えてくればそれが碧岩沢である。
14.源流はヤブもなく、小石のザレを直線的にぐんぐん下って行く。下りは快適だが登りには足下が悪いことだろう。小さなケルンのある二俣に出て、10分程下れば碧岩への一般ルートに出る。尚、ここの源流でもあきらかに大型の四つ足動物と思われる、真新しい足跡を発見している。ご注意願いたい。
15.時間と体力があれば大岩と碧岩に行ってもいい。先の窪地に入るわずか手前(上部)の尾根上から、右の尾根に入る道が大岩への稜線である。渋沢川(砥沢)方面への下降路と間違わないこと。
左)登山口の駐車場 中)三段の滝(この上にもう一段あり) 右)居合沢から見上げた二子岩
左)稜線までもう一息 中)笹のククリ岩山頂 右)アカヤシオの大木(ククリ岩山頂付近)
左)笹ヤブのトンネル・いわゆる熊トンネルだ。ここは四つん這いで通過 中)稜線の岩稜から二子岩 右)二子岩東峰山頂
左)東峰より碧岩(左)と大岩(右) 中)二子岩西峰山頂 右)西峰よりククリ岩(右の鞍部が遡行終了点)
碧岩沢の二俣(正面が下降路)
余地峠林道より右に高くククリ岩と手前に二子岩、左に一段低く碧岩と大岩。
更に手前はアイガー北壁のようなタカノス岩をほぼ真横(西側)から見る。