千が平(千ヶ平) |
千が平山頂より毛無岩(左端)とイデミ(中央)・他は無名峰 |
西上州に何カ所かある空白域。 「千が平」はそんな空白域の一角、荒船山と物語山の中間に位置する道平川左岸の山である。 登山道が無いため登られることなく忘れ去られているが、ほぼ360度の優れた展望を誇る秀峰である。 ルートの半分以上は急峻な林道となるが、ここでは最短時間で登る三ッ瀬からのルートを紹介する。 |
グレード | 2 判断基準 |
ルート | 千が平林道終点→作業用林道→ガレ場→頂稜→千ガ平山頂(以下往路を戻る) |
総歩行時間 (休憩含まず) |
2時間半〜3時間程度。 |
登山適期 | 3月中旬〜5月中旬 及び 10月下旬〜12月中旬 |
地形図 | 荒船山 |
駐車場所 | 千ガ平林道(全長約2km・名前は仮名)に入って約1km程の地点に3〜4台。更に林道終点に2台程度。 |
ガ イ ド (99年11月13日現在) | |
1. | 千が平林道(仮名)は1/2.5万図「荒船山」で道平川ダムから尾根一つ隔てた西にある、黒実線の道である。 三ツ瀬の入口には「グランドゴルフ場→」の標識が、林道の入口には「天神平グランドゴルフ場」の標識がある。 |
2. | コンクリート舗装された林道を入ると間もなくグランドゴルフ場を左に見て通る。回り込んだ先が十字路で、ここが最初の駐車ポイント。 更に900m進むと林道終点の旋回スペースがあり、ここでは旋回の邪魔とならないよう2台程度駐車可。但し、ここまでの900m間はかなり足下の怪しい林道となるので、急傾斜+凸凹+石ゴロゴロの細道に自信のない方は無理して入らないこと。地上高の低い車は不可。 |
3. | 千が平林道終点からそのまま作業用の林道を歩いていく。この林道は以前来た時より整備されたとは言え、最大斜度20度はあろうかという超急坂。おまけにザレた浮き石ゴロゴロの道で軟弱地盤。四駆でもとても無理なので間違っても冒険しようなどと思わないこと。 |
4. | 林道は直線的にグングン高度を上げる。途中、右に枝林道(300m程先で行き止まり)を分けると今度は細かい九十九折りの急坂となり、右隣の尾根とほぼ同じ高さになれば標高980m付近の終点も近い。 |
5. | 林道終点から右上に見える稜線が千が平頂稜である。この後頂稜まで道は無く、沢状地の苔むしたガレ場を注意しながら登っていく。足を滑らして膝やスネを岩に打ちつけないよう注意。尚、作業用と思われるロープが頂稜まで張られているので、時にはバランスの補助くらいには使ってもいいだろう。 笹はまったく無く、ヤブも腰から胸くらいまでの灌木と草で薄く広がる程度。見通しは良好。 |
6. | 頂稜にはかすかな踏跡がある。左は前衛峰まで数分、三角点本峰は右に登りコブを二つ越えて10分程、更に数分で西峰である。 前衛峰は道平川ダムから見えるピークで展望は荒船や浅間方面のみ。但し、北西面は檜植林が2〜3m程に育ってるので、いずれどの方向も展望不良となることだろう。 本峰は360度展望可能だが灌木の木の間越しとなる。南の岩頭から南東方面の展望が良い。 西峰は目の前に真横から見る馬鹿でかい(カメラの50mm標準レンズで入りきらない)荒船山。毛無岩や付近の山々も近い。 特筆は本峰と西峰間にある岩頭で、こちらはほぼ360度の展望を満喫出来る。尚、岩頭上は畳半分程度の広さ。登行には注意、岩頭上では慎重に。 ちなみに、隣の物語山だけはどこからも木の間越しでまともに見えない。又、毛無岩の尾根に遮られて南牧村南部の山々も見えない。 |
7. | 毛無岩方面へは一応尾根続きであるが、頂稜の前衛峰〜西峰間の状態から想像すると(西峰からそれらしい踏跡はあるが)道は無いに等しいと思っていい。体力的にも経験的にもかなり厳しいと思われるので、短時間登山だからといって欲を出してはならない。帰路は往路をキッチリもどること。 |
注記 | |
1. | 頂稜は紹介ルートの登路付近を除きヤセ尾根状であり、左右両面共岩場から転落しないよう注意のこと。 |
2. | 本峰直下で1m×60cm程の押し固められた落ち葉と足跡(前の晩のベッドだった?)、更にその落ち葉の中より茶から黒の獣毛を発見している。又、付近には鳥の羽が数カ所にわたって散らばっており、その手の対策には怠りなく。熊よけの鈴などは必須と考えたい。 |
山頂直下の稜線に熊の寝床?。付近には足跡や獣毛も発見。 |