妙義山/金鶏の風穴と大黒道

大黒道より金鶏の風穴
大黒道より金鶏の風穴

妙義三山の一つ金鶏山には「金鶏の風穴」と、大黒の滝経由で一本杉へ登る「大黒道」がある。

共に戦前まで登山道はあったものの、戦後はまったく忘れ去られてしまった。
当時の絵葉書等では大黒の滝(現在の中間道にある大黒の滝とは別でこちらが本家)が希に見られる程度で、金鶏の風穴に至ってはまったく存在を確認できない。しかし、古絵図等には記入ある絵図も存在し、実は風穴については各所から見えているのだが意外と気づかれてない?

共に妙義の岩とヤブ、滑る足下への注意とシビアなルートファインディングは必須。ルートを誤らなければ目立つ危険はない。

 

グレード(個人評価)  H  1  2    4  5  U  /  判断基準
ルート 金鶏の風穴 : 無名沢出合→大滝→風穴ルンゼ→風穴(往復)
大黒道 : 金鶏橋→大黒道分岐→巨木の森→大黒の滝→源流→一本杉→一般道
総歩行時間(休憩含まず) 金鶏の風穴/往復約1.5〜2時間  大黒道/登り約1.5時間
登山適期 3月下旬〜5月上旬 及び 11月
地理院地図へのリンク http://maps.gsi.go.jp/#15/36.286557/138.752389
駐車場所 登山口付近、他各所に多数
注  記 金鶏の風穴ではルートミスで行き詰まった場合、念のため懸垂下降装備&高度なヤブルートファインディング必須!
両ルートとも完全に廃道歩きです。初回登山時マーキングの類、往年のケルン、ペイント、案内等は一切発見できず12月現在でも同様でした。
金鶏の風穴付近には古いトラロープがたくさんあります。登山者とも管理者とも異なり、明らかに悪徳業者によるイ○○○盗賊団によるものです。もちろん登路とはまったく無関係にあり誘導されないこと。
ルート中は動物たちの足跡や糞が各所に。一応参考にもなりますが、不用意には誘導されないこと!
地理院地図へのリンクは風穴位置を示している訳ではありません。

 

2013年12月上旬現在
金鶏の風穴
登山口 涸れ沢
登山口付近。これだけ情報あれば・・・・分かるよね!
正面の涸れ沢を大滝まで忠実につめます。
 
大滝 かすかな痕跡
大滝前で左に往年のかすかな痕跡。
これが道跡に見えない方、分からないと思う方は無理ですから、この項のルートはご遠慮下さい。
 
支稜の登りから風穴 トラバースの道跡
次の支稜を登り、道跡はほぼ水平にトラバース。
 
目印となる藤蔓 根張り立派な立木越しに風穴
やがて根張りの立派な立木越しに風穴も近い。
 
泥ルンゼをつめる 最後の一登り
朝の内、風穴からはサーチライトのように陽が差します。
風穴直下の泥ルンゼが登路。滑りやすい泥斜面を立木に掴まりながら一登り。
 
金鶏山展望 相馬岳展望
風穴は異形ですが最大高さ15m、幅12m程度とけっこう大きい。正面には金鶏山、振り向くと相馬岳。
名前通り風がよく吹き抜け涼しい。東側は絶壁!
 
天井を見上げる 富岡市方面
見上げる天井幅は5〜6mくらい。
 
ギャップ上の風穴稜 風穴稜左の岩峰群
左から岩を上り風穴稜に出られます。
細い岩稜はやがて4〜5mのギャップ後絶壁となり単独フリーでは困難。ボルトで・・・・なんて愚かな欲はかかないでください!
 
風穴稜より安中市方面
風穴稜からの展望は360度圧巻!

下山は登路を忠実に戻るか、安全そうな涸れ沢を下ります。この日、大黒道へのトラバース道は完全に消え確認できませんでした。
適当に藪を突っ切ってもいいけど、そりゃどうせなら大黒道も本来のルートで歩きたい。
 

 
大黒道
一本杉登山口 分岐
金鶏橋より一本杉への登山口へ。
 
石柱左面 石柱右面
昭和初期の石柱には、左「大黒滝を経て石門に至る」、右「七曲峠を経て石門に至る」
ロープを跨いで左へ。このロープは一般登山者が誤って入らないための配慮と判断。
 
徒渉点
水道施設前から左に折れ前の沢を渡ります。
左岸を直進する道跡は一本杉直下に登り上げる別の廃道です。
 
巨木の森 巨木1
巨木2 巨木3 巨木4
巨木の森。
直径1m以上の欅や楢など巨木があっちこっち。一ッ所にこれだけ集まってるのは妙義でも珍しい?
 
大黒の滝 右岸の道跡
大黒の滝。
2段30mくらい。流域面積狭く水量少ないが、一応の水場にはなります。
右岸の道跡を慎重に辿る。
 
細い道跡 大きくUターン
やがて明瞭となった道跡をUターン。
冬枯れ時期ならこの付近よりトップ画像の金鶏の風穴が見えます。
 
小乗越 東大黒岩
小乗越を越えて滝上の大黒沢に。大黒の滝からこの乗越まで、けっこう急登で滑りやすく足下に注意。
右手頭上には大黒岩。正確には中の岳神社奥の西大黒岩に対し「東大黒岩」。
 
源流の二俣 左俣源流から支稜へ
源流の二俣は左へ。更に右の支稜へ道跡を辿り支稜に乗ります。
 
支稜の道を振り返る 金鶏山(筆頭岩)稜線上の分岐
支稜をつめれば一本杉直下の稜線。右の一本杉から更に石門群へ足を伸ばすなどいいでしょう。
 
 
昭和5年妙義山古絵図
昭和5年妙義山絵図より抜粋
 
最終更新  2015年 1月31日
追記更新  2013年12月10日
新規追加  2013年 3月29日
 
HOME       BACK