牧場尾根東部縦走

780m峰
今回の白眉、展望雄大な780m岩峰。

千ヶ平登山の帰り道、道平川ダムから見る岩峰の連なりに「なんだあの尾根?」、っと思ってから早20年。そのうち、いつかは、きっと・・・・などと思いつつ、けっきょく「登山口と下山口離れてんなー」と言い訳して見送っていた。
っが、下山口側にチャリデポしておけばほとんど下り坂で戻れるじゃん、っと筆者にとってもかなり久しぶりとなる車にチャリ積んでの登山となった。結果、開始時間が遅れたこともあり時間切れにより予定の半分で中断。それでも岩稜&岩峰群に天候も味方して、変化に富み展望満喫の山行となった。

1000m足らずと標高こそ低いものの、逆に樹林内故のルートファインディングは上級レベル。危険個所も各所にあり、その成否によっては思わぬ危険を伴う可能性も高い。高所恐怖症や中高年の方にも厳しそうで、西上州と藪岩に慣れた熟達者向け。

 
210307 注記
当ルートの固有名詞は「山と高原地図21 2015年版」を使用しておりましたが、昨年の「2020年版」では変更されてることが確認されました。恐れ入りますが下記の通り読み替えをお願い致します。
2015年版 2020年版
 大岩(862.1m三角点峰) 横畑
 822m峰 大岩

 

グレード(個人評価)  H  1  2  3  4    U  /  判断基準
ルート 登山口→神社→617m峰→松の木のピーク→780m峰→キレット→810m峰→送電線鉄塔→巡視路→下山口
総歩行時間(休憩含まず) 4〜5時間程度(ルートファインディングが的確だった場合)
登山適期 10月中旬〜5月下旬  但し冬期は凍結と積雪量の状況による
地理院地図へのリンク http://maps.gsi.go.jp/#16/36.245130/138.689346
駐車場所 登山口・下山口とも路肩スペースまたは近くの空き地となり、他の迷惑とならないよう十分注意を。
注  記 西上州と藪岩に慣れた方なら技術的には概ね問題ないでしょう。山中は獣道レベルでルートファインディングと地図読み、経験値からの洞察力は上級者レベル。地図上には現れない小岩峰も多数。
それら岩稜・岩峰ではそれなりの高度感を伴い、道標のたぐいは植林用テープ、送電線巡視路の案内杭以外一切ありません。
繰り返しますが自己責任にて現場での判断を願います。尚、当たり前ながら筆者踏破ルート外、または山行者のルートミス等による事故や危険は考慮していません。
熊出没注意!! 稜線上では概ねドコモ携帯使用可能

 

2018年11月中旬現在
 
登山口
登山口 / 以降ルートファインディングの面白みを削がないよう主に地点名や展望、注意喚起等と致します。
 
 
 
 
 
 
神社
今にも飛ばされちゃいそうな岩コブ上の神社
地元「庭屋氏」を祀ったものなのか石灯籠に、「弘化三牛歳○○」「領主庭屋豊○○」等と彫られています。弘化三年というと1846〜47年と言うことで、明治維新までもう20年ちょっとの江戸時代晩期。
 
神社前は小広く、主稜方面を背に300度以上の大展望。根小屋城趾と対面し、元々は砦跡と言う感じか?
写真は左から妙義山(山頂稜線がちょっと)、雨宮山、御堂山、手前に根小屋集落とその後に天然の要塞根小屋城趾(右側三角形の山)。

ちなみにこの後、617m標高点峰へ向かう途中で南に下る道形があり、本来の登路(参道?)は現在あるバイパス中間付近の小沢またはその周辺からと思われます。その方が根小屋集落や城趾との関係性も説明出来そう。
 
左) 和美峠方面
右) 下仁田町方面 遠く尖って見えるのは稲含山
 
左) 617m標高点
 
左) 最初の岩峰
右) 岩峰上から主稜線方面
 
左) 岩峰本体は幅1mほどの岩稜!
 
 
740m峰
右) ここも幅1mほど
 
 
 
松の木のピーク
松の木のピーク
松の老木が何本も生えるピークで展望良好。これまでの中では広く安全なピークだが、それでも西以外は切れてるので要注意。
右写真は辿ってきた岩稜&岩峰群
 
右) 780m峰直下
 
780m峰
780m峰
この尖った岩上が頂点。岩上から360度の大展望で今回の白眉・・・・ではあるけど・・・・
 
荒船山    千ヶ平
物語山    御堂山
妙義山    浅間山
 
左右写真の白い枯れ木は同じ木です。岩峰南面は足下から垂直に切れています(右写真で近景からいきなり中景・遠景になっています)。行動はくれぐれも慎重に!
絶対につまずいたり滑らないように。せめて転ける時は北側に!!
上で「780m峰直下」と記入した写真を見ても左側(南側)が切れてるの分かりますよね。
 
 
 
 
 
キレット
キレット
地図上よりずっと深い(数10m以上)左右絶壁のキレット。正面は道平川ダムで南西に開いています。
 
810mピーク
 
 
 
送電線巡視路
巡視路ながら植林内は大量の枝葉が降り積もり、目立った切り開きもなく非常に迷いやすい。所々テープは出てくるが巡視路用か植林用か不明で、肝心な屈曲点に無いことたびたび。この植林内を外さず下写真に辿り着いたらルートファインディングは上級者レベルと誇っていい?
 
左) 正しければ南西斜面のごく小さなわき水下を通り、全体の1/3ほど下降するとようやく明瞭な巡視路へ。
右) っが、それもつかの間。山畑跡と思われる石積みが現れると・・・・まあでも、この辺まで来ればとにかく下ればいいんだけど。
 
下山口
やがて巡視路分岐を過ぎ野牧寺西でR254着
 
 
踏破軌跡
踏破軌跡(縮尺は任意)
GPSのものではありません。地図を元に筆者登山後の覚えですので、細部で異なる場合があります。
 
 
「牧場尾根」について
日本初の西洋式牧場として有名な神津牧場から派生する尾根であることから、筆者の仮称としてずっとこのように呼んできました。また、筆者が調べた範囲で、この尾根を指す固有名詞は見つけられていません。
もう少し先に今回タイムオーバーで断念した862.1m三角点峰がありますが、それを指して筆者の持つ昭文社「山と高原地図」では2013年版で無名、2015年版で「大岩」との名があり、それはこの尾根唯一の固有名詞でもあります。したがって「大岩尾根」としていいのかもしれませんが、筆者にはその名の根拠が分からず他の名称(通称とか)あるかも知れません。よってこの項では「牧場尾根」のままとして呼ばせていただきました。ちなみにその大岩は道平川ダムからは、手前の尾根に邪魔され見えにくいピークです。

また上記の大岩と共に今回目標としていた822m峰でしたが、筆者の踏破した範囲で安全に登れそうなルートは見つけられませんでした。しかし標高点となっているピークであることから、国土地理院、地元林業関係者あるいは猟師の方等の登っている事実はあると思います。来春は先の大岩と共にその辺のルート探索を行いたいと思っており、続報をお待ちいただければ幸いです。
 
 
最終更新  2021年 3月 7日
新規追加  2018年12月07日
 
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