牧場尾根中東部縦走


906m峰より牧場尾根西部を望む

和美峠(軽井沢方面)への県道沿い清水沢百庚申から清水沢を遡行し、前回中断した送電線鉄塔から大岩方面への尾根を名称不明の峠まで縦走。最初のピーク、東側からの860m東峰は藪岩クライミングの領域となり岩経験必須。
この時期は岩峰に咲くヤシオに和まされ、半面それらのうるさいヤブもありつつ変化に富む山行となった。

1000m足らずと標高こそ低いもののルートファインディングは上級レベル。危険個所もあり、その成否によっては思わぬこととなる可能性も。一部高所恐怖症や中高年の方にも厳しそうで、西上州と藪岩に慣れた熟達者向け。

 
210307 注記
当ルートの固有名詞は「山と高原地図21 2015年版」を使用しておりましたが、昨年の「2020年版」では変更されてることが確認されました。恐れ入りますが下記の通り読み替えをお願い致します。
2015年版 2020年版
 大岩(862.1m三角点峰) 横畑
 822m峰 大岩

 

グレード(個人評価)  H  1  2  3  4    U  /  判断基準
ルート 登山口(清水沢百庚申)→清水沢→主稜線→860m東峰→大岩→906m峰→鞍部→無名沢下降→(養蚕神社→)県道→登山口
総歩行時間(休憩含まず) 5時間前後(ルートファインディングが的確だった場合/県道歩行含む)
登山適期 10月中旬〜5月下旬  但し冬期は凍結と積雪量の状況による
地理院地図へのリンク http://maps.gsi.go.jp/#16/36.250693/138.677309
駐車場所 清水沢百庚申入口路肩スペースに3台程度。
注  記 西上州と藪岩に慣れた熟達者向けです。
東側から登る860m東峰はヤブ岩クライミングの領域。筆者的にルートが見えたから登ったけど、一般的にフリークライミング経験の無い方には困難でしょう。但し、西からは一応の登路があり、東西両峰の鞍部まで何とか辿り着けば(現地で自己判断してください)、山頂に立つこと自身はそれほど困難ではありません。
この項で登場する各峰からの下降はいずれもヤブと岩のミックスした急下降となり、ルートファインディングと地図読み、経験値からの洞察力は上級者レベル。
登山日現在、道標のたぐいは清水沢上部の送電線巡視路テープと他テープ1個所のみ。案内板、山名標識等は一切ありません。
清水沢は登り初めてすぐ飲用水施設があります。沢全体を通して絶対に汚したり荒らさないようにご注意ください。
毎度の決まり事となりますが、自己責任にて現場での判断を願います。当たり前ながら筆者踏破ルート外、または山行者のミスルート等による事故や危険は考慮していません。
熊出没注意!!
登り詰まった時の下降用にザイル装備あれば安心
稜線上では概ねドコモ携帯使用可能

 

2019年 4月下旬現在
 
登山口と清水沢百庚申
 
左) 清水沢出合
 
 
 
左) 上流の二俣左はデブリと言うか、土砂の堆積したような斜面。ここから巡視路の階段杭が現れ始める。
 
辿り着く送電線鉄塔下の主稜線は石庭のような感じで、建設時の資材置き場とでもなったのか朽ちた丸太が多数。
 
左) 西に主稜線を辿りやがて急傾斜となって来ると岩場が現れる。
   岩を避けてここから左の植林内を巻き支稜を乗越すことも可能だが、やはりそれなりの危険は伴いルートファインディングはシビア。
   自己判断で!!
右) これを一の壁として・・・・
 
二の壁
 
三の壁
 
更に続く岩場をこなし頂稜を左に辿れば・・・・
 
860m 東峰着。 周囲(特に南面側)は絶壁です。注意!!
 
西側の展望。これから906m峰を越えるまで辿る。
 
 
左) 下降後西から見上げた860m東峰。下降路は探してください。
右) 860m西峰。こちらはなんの変哲も無い。地図上両峰の標高は同程度ですが、実際は東峰の方が 10〜15m くらい高そう。
 
大岩(862.1m三角点)山頂。普通の稜線の普通の盛り上がり?? 大岩はどこ??
 
但し、西側への下降はヤシオのヤブを急下降。
 
左) 鞍部から振り返ると濃いヤブがよく分かる。
右) 南へ植林時の作業道跡か?
 
840m岩峰から松の枝越しに見る906m峰。いい雰囲気のピーク!!
 
また岩場か?っと思ったけど・・・・
 
一部岩稜ありの頂稜を辿れば・・・・
 
狭いけど展望良く、風さえ無ければゆっくりしたい山頂。
 
 
数種のヤシオが混在?
 
 
下りはヤシオのヤブを分けて岩混じりの斜面を急下降。滑りやすいが嫌と言うほどの灌木が頼りにもなる。
 
 
左) 地図上の峠付近。 いかにもそれらしい雰囲気はあるが、これと同定できるほどの道形は無い。
右) 最低鞍部
 
道の無い北斜面を直線的に下る。
 
左) ひたすら下って炭焼き跡や鉄砲水跡を過ぎ、この堰堤までくれば下界も近い。
右) 和美峠(軽井沢方面)への県道を見て養蚕神社参道と出合い終了。
 
右) 参道上手に朽ちかけた鳥居。ほぼ水平に辿ると10分程度で養蚕神社があります。
 
左) 県道沿いの登山口(今回の下降点)
右) わずかに下った山側の湧水。飲めるかどうか不明だが、手洗いや汗拭きくらいには十分。
 
 
踏破軌跡(縮尺は任意)
GPSのものではありません。地図を元に筆者登山後の覚えですので、細部で異なる場合があります。
 
 
「牧場尾根」について
日本初の西洋式牧場として有名な神津牧場から派生する尾根であることから、筆者の仮称としてずっとこのように呼んできました。また、筆者が調べた範囲で、この尾根を指す固有名詞は見つけられていません。
今回歩いた 862.1m 三角点峰を筆者の持つ昭文社「山と高原地図」では2013年版で無名、2015年版で「大岩」との名があり、それはこの尾根唯一の固有名詞でもあります。したがって「大岩尾根」としていいのかもしれませんが、筆者にはその名の根拠が分からず他の名称(通称とか)あるかも知れません。よってこの項では「牧場尾根」のままとして呼ばせていただきました。
 
 
最終更新  2021年 3月 7日
新規追加  2019年 4月28日
 
HOME       BACK