21世紀に残したいCDアルバムは?  001120  No.35
最終更新 2006年9月30日
 
天野 : 「21世紀に残したいCDアルバムを、J−POPの中から10枚だけ選んでみた。」
記者 : 「うわっ、クサッ!、なーんかしょぼいっすねー。」
天野 : 「いーじゃねーかよー。」
記者 : 「使い古された企画ですよ。まあいいですけどね。」
天野 : 「俺が男の歌をほとんど聴かないのは前にも言ったよな。だからここで言うJ−POPは女の歌ね。一応、歌手一人1枚に絞った。別に紹介順に好きだという訳じゃない。単なる思いつきの順ね。」
記者 : 「順不同って奴ですね。ただ天野さんの言う歌手ってあんまり一般的じゃ無いからなー。誰でも知ってる人ならいいんだけど。」
天野 : 「あー、まー、有名無名問わず。
まずは、ZARDのファースト「Good-bye My Loneliness」
ZARDが最も輝いてた時のアルバム。最近はさー、何だか自身の亜流ばかり歌ってるようで・・・・、要するにマンネリだね。悪いけどちょっと食傷気味なんだよなー。でもこの頃は覇気に満ちてたよね。J−POPぶっとばしたる、ってな気合いをビシビシ感じる。
今回選んでないけど、「レベッカ」なんかも初期の方がコケティッシュで跳ねてて好きだな。

浜崎あゆみのファースト「A Song for XX」
デビュー以来の一連のシングルを中心としたベストアルバム的なファースト。たぶん好きな人と嫌いな人がはっきり別れるタイプの歌手だよね。あたしゃ好きでしたよ(←なぜか過去形だが)。特にアルバム題名曲の「A Song for XX」は、あの何とも仰々しい編曲と劇的な曲調と歌唱が妙に気に入っちゃってる。

Every Little Thing(ELT)の「Every Best Single +3」
こちらは題名通りのベスト。少しはアルバム名ヒネろってんだ(ヒネったつもりがこれだったりして?)。最初、声帯をわざと絞めて緊張させたような声が、「出逢った頃のように」くらいから急に本来ののびのびした声に変わる。連続して聴くとそんな変化の様子がよく分かるよね。ダンス系からポップス系に明らかに路線変更してるって感じ。結果的にもそれが成功したと言っていいだろうし、路線変更後の「Time goes by」は90年代屈指の名曲と思っている。

宇多田ヒカルの「First LOVE」
こりゃしょーがねーよな。敬意を払って加えておこう。もちろん収録曲も好きだけど、とても当時15〜6の小娘が作り歌ったとは思えない。流行りでCD買った人も多いだろうけど、こんな才能見せつけられちゃ「ごめんなさい」、だよね。

渡辺美里のセカンド「Lovin' you」
今じゃ珍しい(当時でも珍しかったけど)2枚組オリジナルアルバム。当時18歳の彼女(って言うより事務所?)が勝負に出て、見事に成功を勝ち取ったアルバム。言い方が適当かどうか分からないけど、いわゆる「女の子ロック」が商売的にも成功することを、最初に世に知らしめたエポックな傑作。
っとまー、ここまではみんな知ってるよな。」
記者 : 「ええ、現役バリバリのチャート常連だしね。J−POP聴いてて知らない人はいないでしょう。」
天野 : 「続いてはちょっとマイナーだけどねー、個人的に外せない人達のアルバム。
まず、笠原弘子の「メモリーズU」
題名通り2枚目のベスト盤。楽曲の充実には目を見張るものがある。これを聴けばきっと他のアルバムも聴きたくなるね。だからどういう歌手なの?って聞かれれば、真っ先にこのベストを奨めることになる。ポップス好きならおそらく期待は裏切らないと思うな。

白井貴子の「PASCAL」
攻・走・守(野球じゃないってえの)すべてがバランス良く最も充実したアルバム。アルバム内普通10曲あると、大概「こいつはどうかな」ってな曲が一つや二つあるもの。でもこのアルバムは満点を付けられるデキ。最後の曲など白眉と言っておこう。

又紀(ゆうき)仁美のファースト「Kiss in the rain」
このアルバムと出会えたのはある意味幸せだった。今で言う癒し系の先駆的アルバムなんだろうけど、初めて聴いた時はちょっと衝撃的でもあったね。ご本人が影響受けたかどうか知らないけど、外国で言えば「エンヤ」に近い音楽センスの持ち主。

香坂みゆきの「ヌーヴェル・アドレッセ」
何の衒いも緊張もなく、しっとり聴き込んで浸れるアルバム。落ち着いた雰囲気は何度聴いてもまったく飽きることがない。刺々しくなく、さりとて甘すぎず、こんなに真摯な音楽は珍しい。

最後に地元代表として須藤和美のセカンド「BE EARTH」。
正統派のロック系。後に「須藤あきら」と改名したが、個人的にはファーストと共に和美時代のこのセカンドがベスト。前述の「PASCAL」に勝るとも劣らない秀作だな。
で、以上10枚の中からもし1枚って言われたら、「Kiss in the rain」か「ヌーヴェル・アドレッセ」になるね、きっと。」
記者 : 「うわ〜〜〜何だかなー。」
天野 : 「何だかなーはねーだろ。まあ例のとこ(こちら→Ledy's J-POP)からチョイスしたって感じだけど。
他にもとみたゆう子、下成佐登子、南翔子などなど、上げたい歌手は多いんだけど、推薦盤となるとレコードしか持ってないので外した。一応今でも手に入ることを前提にCDってことわっちゃったからね。最も、又紀仁美以降の3人はすでに廃盤となっちゃったので、たぶん中古屋でないと見つからないだろう。」
記者 : 「あれですねー。なんかみんな初期作ばかりですねー。」
天野 : 「スルドイねー。なんかねー、違うんだよな。
確かに俺が好むアルバムの多くは、「その歌手にとっての初期作」、って呼ばれるものに偏ってる傾向ははっきりあるね。そのー、デビュー当初の垢抜けなさとでも言うか、そんなとんがったところにひかれるんだよね。これが業界で長くやってくるとさー、ほとんどみんな丸まっちゃうんだよな。普通は仕事に慣れて初めて冒険しだすもんだけど、実際は逆に枠にはまってきちゃう。特に自作曲を歌う歌手なんか、確かに長くやってきて楽曲としても洗練され、歌唱テクニックも上がってるんだとは思う。でもなんか置いて来ちゃってんだよねー。本人にしてみれば余裕が出てくる結果なんだろうけど。」
記者 : 「う〜〜〜ん、分かりますよ。でもそれって・・・・たとえばファーストなんかはまず売れることを優先するじゃないですか。これから売れていくためにはとにかく知名度を上げたい。結果として一般ウケしそうな曲を多く入れる。なんかその手にまんまとはまってるような気がするなー。ホントにその歌手の個性が出るのはそれなりに売れて、ある程度プロデューサーやレコード会社からの庇護も脱ぎ捨てられる数枚目から、って気もするけど。」
天野 : 「うっっっっ・・・・」
記者 : 「それと案外メジャー系も聴いてるんですねー。もっとずっとマニアックばかりだと思ってました。」
天野 : 「そりゃー例のとこみたいにあまりマニアックじゃさー。一応ちゃんとメジャーだって聴いとんのよ、ってこと言っとかないとね。まあ同じメジャーでもはっきり分かれてはいるけど。たとえばMM。やANなど1枚も持ってないし、あえてCDまで買って聴きたいとも思わない。」
記者 : 「はー?・・・なんで?」
天野 : 「どうしてかねー?。まあMM。なんか乗りのいい曲聴くと確かに耳に付くところはあるよねー。でも、あれは一種のビジュアル系だし・・・・。キ○物とまでは言わないけど、やっぱりTVとビジュアルあっての人気でしょ。ビジュアル無しのCDだけじゃ聴かんよ。当人達は10年くらいしたら相当恥ずかしい思いするかもね。もっとも10年経ってもまだ多くが20代前半なんてさー、ホントに何てうらやましい。」
記者 : 「ピンで歌わないと嫌だとか?」
天野 : 「う〜〜〜ん、それもあるのかなー。俺が好きな歌手はたとえバンドのボーカルであっても基本的にはピンで歌ってるよね。うん、確かに共通点ではある。
まあ、これも以前言ったように(こちら→歌は詩が命?)、最終的には耳への刺激が心地いいかどうかなんだろうね。声質で言えばアルトよりソプラノ。スタイルで言えばドラマチックよりリリック、っていうのはある。もっとも、それだけが好みのすべてじゃないからとても一言じゃ言えない。」
記者 : 「でも曲調は選ばない。」
天野 : 「選ばない。まったく関係ない。スローバラードもヘビメタも癒し系もコンテンポラリーも、みんな同列に好き。」
記者 : 「変わってますよね。」
天野 : 「変わってるんだろうな。」
 
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