山急山


五輪岩より山急山と浅間山
横川付近のR18や上信越道下り線横川SA過ぎから正面に見える独立峰的趣の岩山。

R18&上信越道を挟んで妙義山塊最高峰谷急山の真北にあり、山急山とは言い得て妙。谷急山のパッと見普通の山に見える姿と異なり、こちら山急山は名が体を表すようどこから見てもぐるっと岩に囲まれています。小規模ながらその山体はまるでテーブルマウンテンのよう。

前回同様林道終点の送電線鉄塔下から登り、五輪岩に寄り道した後山頂を周回して来るルートを取ります。ミスルートがなければ3時間前後で回って来られますが、複雑なルートと岩場の残置ロープ多数。ミスルートと思われるマーキングも多く、誘導されやすい分以前よりルートファインディングは難しくなった。

 

グレード(個人評価)  H  1  2    4  5  U  /  判断基準
ルート 林道車止め→林道終点→五輪岩南稜→五輪岩→山急山→南稜→林道
総歩行時間(休憩含まず) 約3時間
登山適期 10月中旬〜5月中旬  但し冬期は凍結や積雪量による
地理院地図へのリンク http://maps.gsi.go.jp/#15/36.334315/138.697414
駐車場所 林道分岐(車止め)前に路肩駐車/3〜4台
注  記 97年初回、98年最終更新から16年ぶりの登山でしたが全体にかなり変わっており、下記のように迷いやすくなった分むしろ当時よりグレードアップしたように感じます。特に地図読みが不得手の方や頂稜への上り下りで高度感の苦手な方は危険です。
短時間ルートとは言え山中の標識類がほとんど無いため迷いやすく、加えて明らかにミスルート(バリエーションかもしれませんが)と思われるテープ等のマーキングも多々あり、慎重なルートファインディングを要します。
本紹介ルートが一応正規の周回ルートと言えますので、それらに誘導されないよう願います。
冬期は凍結や積雪状況にもよりますが、6〜8本爪以上のアイゼン持参は必須と思われます。

 

2014年11月中旬現在
 
左) 鎖による車止めのある林道分岐に写真のような路上駐車となります(3〜4台程度)。
右) 林道終点送電鉄塔下の登山口
 
左) 尾根筋を急登した後写真の鞍部を過ぎて、更に一部ザレて滑りやすい急登が続く。
右) 写真の五輪岩末端から左にトラバース(右は最近死亡事故もあり大きく伝えられた五輪岩登攀ルートへ)
 
左) 2〜3の支稜や涸れ沢を越えほぼ水平にトラバース。途中にはこんな岩屋も多数!
   (このトラバース中右手に登っていく新ルートが近年開かれていますが、本来のルートは下記の涸れ沢ルートです。)
右) やがて現れるやや大きな涸れ沢右岸を少し離れて登る(残置ロープ多数)。上部ではこの沢に戻るため、状況により沢を詰めても可!
 
 
左) 涸れ沢上部岩混じりのトラバース(残置ロープあり)
右) 辿り着く稜線から登路を振り返る
 
左) ヤセ尾根の稜線を東(右)に少しで五輪岩
右) 高度感ある五輪岩への岩稜
 
五輪岩から山急山頂稜
「山頂」表記は三角点の位置です。
「注意」表記の頂稜への最後の急登が危険! 滑落すると向こう側の谷底へ行っちゃいます・・・いえ逝っちゃいます!
黒く口を開けてるのが石宮のある岩屋。規模からするとニュアンス的には岩窟という感じ。
その岩屋から赤線のようなトラバースルートがありますが、1個所(山頂下で赤線の凹んでる所)危険な崖上のザレ斜面があります。崖縁までの距離も5mくらいですから、滑ったらダイブしてこちらも逝っちゃいます。くれぐれも安易に立ち入らないように!
 
五輪岩より上信越道と高岩、その後ろに霞む荒船山。右手前は稲村山。
 
 
左) 五輪岩から戻って一旦稜線を左に外れ西斜面から暗いルンゼの登りへ
右) ルンゼ内の登りには残置ロープあり
 
 
左) ルンゼ後すぐに頂稜への直進と左に別れるトラバースルートがあり、先の岩屋は左へすぐ先。写真は振り返って奥から見ています。
右) 岩屋内の石宮には「文政八酉三月吉日(1825年4〜5月)」の彫り込みがあり、地形図上に山名すらなくても歴史を感じさせますね。
 
岩屋から戻って初めて東側に回り込み、右手が切れた危険な急登少しで頂稜の一角となる見晴らし着。
灌木類も少なく展望抜群で、写真は榛名山と遠景は雲のかかった赤城山。
 
上信越自動車道と高崎/前橋方面
 
裏妙義稜線左から赤岩、烏帽子岩、鞍部三方境から少し離れて谷急山。手前は五輪岩
 
上) 望遠のため遠近感がありませんが、裏妙義丁須の頭とその後ろにちょうど表妙義の相馬岳が重なっています。頭に誰か登ってるけど、さすがに立てないのかな?!
下) 赤岩と烏帽子岩の後ろは表妙義金洞山。更に遠景は赤久縄山!
 
三等三角点の山頂
 
左) 頂稜から西側への下降は右手が切れた崖上を回り込む感じで要注意!
右) やがてその崖を残置ロープや灌木頼りに下りてから、左に南稜へ入ります。
 
 
左) 南稜最初の鞍部から左下をよ〜く見ると立木にペイントあり。この矢印、どこから見てもちょっと解釈に悩みそうな・・・・^^;^^;
右) 鞍部から左下(初め南東へ踏みだしてから南より)へ晩秋時は深い落ち葉かき分け急下降!
 
左) 傾斜が緩むと左右から沢が合流し、晩秋なら木々の紅葉を楽しむ余裕も。
右) とにかく下流を目指し・・・・やがて左岸に渡り林道と合流し帰路へ
 
 
たびたび出てくる残置ロープですが、比較的新しそうな物からすでに朽ち始めた物まであり、各自の判断でご使用下さい。この手の山上級者ならばほとんど頼らなくても登れますが、初心者が居る場合ザイルやトラロープでも20m程度用意した方がいいでしょう。
多少脅しすぎかもしれませんが近年できた(初紹介時には無かった)錯綜する踏み跡がやたら多く、頂稜や稜線は左右どちらでも落ちたらほとんど逝っちゃいますのでくれぐれも慎重な行動を!
 
 
踏破軌跡(縮尺は任意)
GPSのものではありません。地図を元に筆者登山後の覚えですので、細部で異なる場合があります。
 
新規追加  2015年 1月31日
 
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