妙義山/富士稜縦走 |
最終更新 2006年12月24日 |
麓より望む富士稜(左白雲山より右に延びる富士稜と先端に妙義富士) |
98年12月、失われたルートを辿る妙義富士を紹介した。 今回は更に足を延ばし、富士稜を縦走し相馬岳北稜から廃道となって久しい大沢を下降する。 富士稜は前半岩稜、後半は灌木を分けながら細い踏跡を訪ね、変化があっておもしろい。 |
グレード : | 5 判断基準 |
ルート : | 登山口→妙義富士→P2→富士稜→相馬岳北稜→北稜の見晴らし→大沢→登山口 |
総歩行時間(休憩含まず) : | 4〜5時間。但し、ルートファインディングを誤ればその限りでない。 |
登山適期 : | 3月下旬〜5月下旬 及び 10月中旬〜12月中旬 (但し、積雪又は氷結なきこと) |
地形図 : | 松井田 |
駐車場所 : | 大沢廃畑前路肩駐車スペース、又は妙義富士登山口路肩駐車スペース。 |
注記)
1. | 妙義富士〜P2間はルートファインディングに注意。P2へは岩稜を登るが大沢側は100mを越える垂壁であり、少しでも不安を感じるようであれば登ってはならない。 尚、P3以降危険は薄らぐが、灌木で顔や目を痛めないよう注意が必要。 |
2. | 逆ルートは、P2岩稜を直接下るのはあまりに危険。たとえザイルがあっても大沢側に振られたら・・・・!!。 っということで、下降は従来、P2から小竹沢側に張り出す岩稜を乗越し、樹林を右下に下ったのち岩場のやや危険なトラバースを通り主稜線の途中に出るものだった。 しかし2007年の台風による大雨で大きな崩落があり、現在はこのトラバース点を大きく下に巻くこととなる。 |
3. | 熊の生活圏なので「熊よけの鳴り物」はこのルート必須である。 |
ガ イ ド (2000年4月29日現在)
1. | P2までは妙義富士とP2項参照。 |
2. | 妙義富士より15〜20m程高いP2山頂は360度の大展望。こちらは妙義富士程には狭くなく(広いとは言えないが)、さりとて視界を遮る物もない。見下ろす大沢や、妙義富士を中心に左右に見える眼下の町並みなど絶景と言っていい。季節の好天を見て何度でも訪ねたい、そんな思いに駆られる見事な岩峰である。 |
3. | P2からの下降は登路の反対側に下り、岩壁基部を半時計回りの馬蹄形にぐるっと回り向こう側に達する。続いて岩場を右上にトラバースすると稜線に戻る。稜線には所々意外なほど明瞭な踏跡(人と言うより動物のだが)もあるが灌木を掻き分けながらであり、全体としてはやはり不明瞭な部分が多い。 |
4. | やがてヤブっぽいP3を右上に見て大沢側をトラバースする。灌木を払いながら引っ掻き傷くらい作るかもしれないが、これ以降危険を感じることはないだろう。やがてこれまでよりやや大きな登りとなり、この後尾根を小竹沢側に外れて急な土の斜面をスリップに注意して登る。再び稜線に戻れば左にわずかでP4。残念ながら北東に張り出したヤブの山頂で、妙義富士方面以外展望はよくない。 ただし数歩先はこれまた100mの垂壁なので要注意。 |
5. | P4まで来ると相馬岳北稜は近い。岩場のトラバースを越え、左下に大沢へ滝となって落ちる小沢が見える。対岸にはこれまでの白雲山に変わり北稜からのもう一つの岩稜が目の前。やがてその小沢源流がなだらかな扇状に広がり、最後に一登りするとちょっとあっけない感じで北稜の分岐に着く。 |
6. | この分岐には以前まったく無かった赤テープがあっちこっちの木に巻かれ、前回からわずか1年半足らずでずいぶん賑やかになった。今回は未確認だが相馬岳北稜方面にも赤テープなど多く有るらしい。ここから北稜の見晴らしへ南へ短い急登を登って岩場の左を巻き再び稜線に戻る。次のコブを右から巻けばすぐ北稜の見晴らしである。左に白雲山、右に裏妙義の岩峰群、眼下に国民宿舎が見える。 |
7. | 見晴らしからはそのまま尾根伝いに相馬岳や大沢源流まで辿っても良く、ヤブっぽいが危険はないだろう。またこの北稜と白雲山の間を流れる大沢まで標高差は40m程。かなり急斜面で道は無いが、大量の落ち葉を踏んで一気に大沢に下ることも可能だ。その場合、スリップに注意しながらこの斜面を適当に下れば数分で大沢着。そこは倒木の横たわる「タルワキ沢のコル」への登り口である。 |
8. | ここからは大沢の名瀑「仙人の滝」まで20分程の下降。更に1時間程で大沢登山口である。仙人の滝後に続く大岩ゴロゴロの沢下降では、正面に妙義富士の尖った針峰が迎えてくれるだろう。 尚、この大岩積み重なる沢の下降と、続く廃道となった大沢ルートは特に下降の際はかなり迷いやすい。正しければケルンや石仏類などあり往時を忍ばせる。 他の登行録で「踏跡は分からない」などとの記述もあるようだが、それくらい分かりにくいのは事実。しかし、登りに関して言えば慣れた人なら発見はそれほど困難ではない。 詳細は妙義山・大沢から相馬岳北稜を参照されたい。 |